4年目の今季はプロ初登板も果たした中日・根尾昂外野手(22)が、リーグ戦再開となる17日の巨人戦(バンテリン)から登録を投手に変更することになった。立浪和義監督(52)との話し合いの末に決まったもので、今後は投手に軸足を置く。本紙評論家・大下剛史氏は今回のコンバートに大賛成。「死に場所と思って頑張れ!」とエールを送った。

【大下剛史・熱血球論】中日・根尾昂が内野手から登録変更して投手に軸足を置くという。第一報を聞いた時には少し驚いたが、立浪監督のナイスアイデアだと思う。

 かつて私が広島のヘッドコーチをしていた1999年に、ドミニカ共和国出身のフェリックス・ぺルドモという選手がいて、選手層が薄かったことから投打二刀流で起用していた。同年は野手で二塁や遊撃を守り、35試合に出場。打率2割ながら、巨人の斎藤雅樹からプロ初本塁打も記録した。投手では17試合で計25回2/3を投げて1勝2敗、防御率4・56。それなりに話題にもなったが、根尾はそういう〝便利屋〟で終わっていい選手ではない。

 何より根尾昂という男には生まれ持った「華」がある。大阪桐蔭高時代には投打で甲子園を沸かせ、そのプレーぶりを鮮明に記憶している方も多いことだろう。立浪監督も根尾の持つ「華」をどう生かすべきか熟考したに違いない。

 どっちつかずな形で二刀流を継続するのではなく、今後は投手で――という方向性を明確に打ち出したのは、同じように甲子園のスターだった指揮官の親心だろう。「腹をくくって、投手として輝いてみろ!」という指揮官からのメッセージが感じられる。

 今回の登録変更に際して、立浪監督と根尾でしっかりと話し合ったと聞いた。重い決断だと思うし、投手でダメなら再び野手に…という甘い考えはないものと信じたい。4年目での投手挑戦は最後に与えられた〝死に場所〟であり、それぐらいの覚悟をもって臨むべきだ。

 入団から3年間、野手として思うような結果は残せなかったが、その経験は無駄にならない。投手としていかに野手を牛耳るか考えるうえでも、大いに役立つはずだ。

 2019年2月、土砂降りの中、二軍キャンプ地の沖縄・読谷村で初めて対面したプロ1年生の根尾の鋭い眼光は今も忘れられない。賢い選手だとも聞いている。最初から勝負だと肝に銘じ、かつてのように子どもたちに夢を与えられる選手として輝いてもらいたい。(本紙専属評論家)