文句なしの快投だった。阪神は1日の巨人戦(東京ドーム)に8―1で快勝し、今季初の6連勝。「投」の立役者は、今季初先発の3年目・西純矢投手(20)だ。

「最初はすごく緊張していたんですけど、梅野さんのリードで自分のピッチングができた」と回を追うごとに、150キロ超えの直球と「いつもより2、3キロ速かった」と140キロ台後半の高速フォークが威力を発揮した。2回にウォーカーに先制弾を浴びたものの、その後はG打線につけ入るスキを見せず、7回まで91球、3安打8奪三振の力投で今季初登板でプロ通算2勝目をもぎ取った。

 この日は母・美江さんも生観戦。昨年、プロ初勝利を飾った際、ウイニングボールをプレゼントしている。ヒーローインタビューでは「今日も見に来てくれているので」と母へ記念球を贈呈することを明かし、左翼・三塁側スタンドを埋めた虎党から大歓声。「なかなかいつもいいピッチングができないんですけど、今日だけはよくやったかなと思います」と胸を張った。

 5月最初のゲームに20歳の右腕を抜てきした矢野燿大監督(53)も「これからの試合がほんとに楽しみ、そういうピッチング。ジャイアンツ相手にこの投球ができるんで、どのチームでも純矢のボールが通用する。そういうのが証明できた」と手放しで褒めたたえ、今後も先発ローテーション入りしていくことを明言した。

 岡山・創志学園から19年にドラフト1位入団した「佐々木朗希世代」。今季の球界を話題をさらう完全試合男とは、公私で仲も良い一方、高校時代から、その実力を比較されてきたライバルでもある。奥川(ヤクルト)や同僚・及川ら2001年生まれの世代は、すでに昨季から頭角を現した中で、西純は昨年1勝どまり。「出世レース」で差がついた悔しさは、もちろん忘れてはいないという。

「郎希も奥川もオヨ(及川)も、本当に頑張っていて、自分も負けられないと思っていた。今年こそはやるぞって気持ちでずっと過ごしてきている。ここからもっとやっていきたい」。最下位からの逆襲を期すチームで、頭角を現した3年目右腕は大きな戦力の上積みとなりそうだ。