阪神の球団史上初めて、指揮官就任1年目でのリーグ制覇を果たした藤川球児監督(45)がインタビューに応じ、圧倒的な強さでペナントをもぎとった2025年シーズンを振り返った。周到な準備とマネジメントが実り、大きな故障者を出すことなく歓喜の美酒を浴びることに。「やり切ったというのは認めてほしいですね」と充実の表情で達成感を口にした。

 ――チームの中長期的な将来も考えながら監督業に取り組んだ

 藤川監督 それしかないですね。だけど、ペナントレースを取り切ったというのは簡単ではないですから。普段、あまりにも真っすぐ進んでいるので、それは自分の責任なんですけど、自分があまりにも真っすぐ進んでいるので、周りがついてきてないというのがあるので、あまりにもあっさり勝ってという印象になりがちなところがありますが、本当は違うんだよと。それは自分が決めて歩いているからそういうふうに見えるけれども、その中ではスタッフの方が真剣に働いて、選手はコンディションを整えながら、本当に苦労してここまでたどり着いているので、やり切ったというのは認めてほしいですね。今、現場で働いている選手、コーチ、阪神タイガースのスタッフ、ファンの方々の毎日の声援、ため息、これが積み重なってペナントレースが取り切れた瞬間ですから。

 ――主力選手たちに大きな故障がなかった

 藤川監督 まずは阪神タイガースの会社の皆さんの理解があって、いろいろなことを少しずつ変化させることができた。伝統がある球団ですから、見えないところで少しずつ変化をつけながら、それを少しずつ見えるようにしなければ、ハレーションがありますからね。

 ――監督としての藤川球児を演じていたところも

 藤川監督 演じることはないですね。タイガースでやってきましたから。その中でタイガースでやってきた期間。海外でプレーした2年半。独立リーグでプレーした半年。それから社会人として4年間の評論、ニュース、講演だったり社会で見つけた友人。その中で見た時のバランスが非常に今は生きています。まあ、俯瞰して見ることかなと思いますね。

 ――矢野氏、岡田氏らの両監督と比較して会見で回答を伏せる、はぐらかすことが多かった。「嫌われる勇気」も持って臨んだのでは

 藤川監督 認められたいというのはないですね。もう十分現役の頃に声援はいただきましたし。そうではなくて役割ですかね。その中で今年うれしいのは、選手たちが活躍して皆さんのようなメディアに次の日、佐藤ホームラン何号とか、その景色が非常にうれしいですね。負けた時は自分でよしよしと思いながら、負けた時に自分が1面に載るっていうところが非常に楽しく痛快に感じる。それが自分の中でのトレーニングのようなところですね。修行です。それがこのペナントを取り切れた時に、ベストを出せたかなという1年につながるわけですから。我慢ではなくて「ああ、面白いな」という感じがしますね。だから自己表現を言葉でする仕事ではないんですよね。ないと信じて動いてました。これからもそれで動きます。

 ――次世代の種をまきながらのシーズン。来季以降の戦いもすでに頭で描いているのでは

 藤川監督 来年も、また同じでしょう。同じじゃないけど同じ。種をまいたのは、まきましたけどね。ここからの仕事は秋になりますけど、それは私じゃなくて会社組織としてになりますから。コーチの方々とか、スタッフ全員含めて。あとは選手のレベルですけど。自分の一番の仕事はチームを勝たすことなので。そのためには種をまく必要があったというので、春はまいていましたけど。そんなに何個も芽が出ていない。芽が出るかどうかは分からないんですけど。秋、冬、春。冬から春にかけて頑張らなかったら夏以降は厳しいですよ。

 ――今年と同じではないと

 藤川監督 今年、選手たちは経験したんじゃないですか。春、頑張れなかったら夏から秋が厳しくなるっていうのは。高橋遥人は最初からケガがあって、間に合う期間を逆算してずっと計算して、こちらも見守ってきましたけど、それは彼の力なので。彼だけですかね。別なのは。仕事だから、準備を一番するのは冬から春ですから。新しいものはまた芽吹いてきますから切磋琢磨してまた頑張ってほしいなと。僕は若手もベテランも年齢も関係ないし、育成してるつもりはこれっぽっちもないんで。今は芽が出ても、すぐしぼみますから、あんまりあてにしてないです。まあ、でもいいじゃないですか。ペナントを取るレースですから。それをやり切ったわけですから完璧ですよ。