虎の心臓に「血の入れ替え」は必要なのか――。阪神は23日のヤクルト戦(甲子園)に3―4で敗れ、連勝は3でストップ。首位攻防第1ラウンドを落とした虎は巨人と同率の首位に並ばれ、3位・池山燕にも0・5差まで迫られた。

 スタンドを埋めつくした虎党たちが水を打ったように静まり返ったのは、1―0の僅差リードで迎えた8回だった。ベテラン左腕・岩崎優投手(35)が3番手として登板したが、立ち上がりから連打を浴びて一死満塁。ベンチは続投を決断するも、岩田と赤羽にそれぞれ2点適時打を許し、まさかの計4失点と大炎上してしまう。藤川虎はお家芸としていたはずのロースコアの接戦を、またも手痛い形で落とした。

 昨季まで12球団トップクラスの陣容を誇っていた虎ブルペンだが、今季の救援陣の星取りはこの日の岩崎の黒星も含めて7勝10敗。虎ベンチは開幕から67試合を消化してもなお勝ちパターン継投を固定できず、流動的な起用を余儀なくされている。

 中継ぎ陣の精神的支柱である岩崎が、チームにとって極めて重要な存在である事実は揺るぎようがない。その一方で藤川監督が「チームの心臓」と呼んできた虎ブルペンには、新たな戦力も芽吹きつつある。ともにプロ2年目となる工藤泰成投手(24)と木下里都投手(25)の2人だ。

7回を無失点に抑えた阪神・工藤泰成
7回を無失点に抑えた阪神・工藤泰成
9回に5番手で登板した阪神・木下里都
9回に5番手で登板した阪神・木下里都

 アベレージで150キロ台中盤以上の直球を投じることが可能な2人の若虎は、藤川監督が昨季から台頭を切望していた筋金入りの「右のパワーリリーフ」だ。この日の7回に2番手として登板した工藤は、1イニングを3者連続三振で仕留める支配的な投球を披露。5番手として9回に登板した木下も伊藤→古賀→オスナと続く上位打順を、三ゴロ→二ゴロ→空振り三振で終わらせるパーフェクト救援を見せた。

 阪神の今季の1点差ゲームは9勝12敗。逆転負けゲームの数は、この日で「15」となった。安定した救援陣の存在なしに、まだ半分以上残っている長丁場のシーズンを戦い抜くことは難しい。虎指揮官は「また明日以降もやってくれると思います」と岩崎への変わらぬ信頼を口にしたが、今後はブルペン内で本格的な〝世代交代〟の動きもあるかもしれない。