NPBの20試合連続ホールド記録保持者でもある西武の剛腕セットアッパー、トレイ・ウィンゲンター投手(32)が、導入方針が決まった新ルールの〝伝道師役〟に名乗りを上げた。チームは16日のロッテ戦(ベルーナドーム)に7―1で快勝。首位ソフトバンクと7・5ゲーム差の2位をキープした。ブルペン待機していたウィンゲンターに登板機会はなかったが、その剛腕は来季以降へ向けてマウンド外でもチームの大きな力となりそうだ。

 焦点となるのが「ピッチコム・ピッチクロック」だ。選手会は来季からの導入を目指しており、NPBもピッチクロックの導入方針を決定。ピッチコムは投捕間でサインを伝達する電子機器で、ピッチクロックは投球間の時間を制限するルール。MLBではそれぞれ2022年、23年から導入されている。24年までMLB通算97試合に登板した右腕にはなじみがあるが、適応には時間を要したという。

 初めて向き合ったのは23年のタイガース時代。「やっぱりキャンプの段階では、難しかった。ブルペンや、ライブBPとかの練習の段階から(時計や機器などの)機械をしっかりとつけた状態で、時間を意識した状態で投げるっていうことが大事で、少し続けていった」と振り返る。

 導入前にはなかった〝ストレス〟も経験した。「ランナーがいる場面でせかされる。そこは、ちょっと難しくなる。米国でも始まって最初のオープン戦では、打者も投手も、どれぐらい自分が時間をかけているかは(球審)から実際に言われないと分からない部分があった」とし、実戦を重ねながら慣れる重要性を説く。

 一方で、ルールを味方につけた〝成功体験〟もある。「23年のオープン戦の最終回に投げて、最後のバッターを『時間切れ』(打者側の規定違反)で三振にとって試合を終えたことがあった。でもそれは、成績上は奪三振。うれしかったね」と笑う。

 15日には来季契約を締結し、25年の来日から3年目となる来季も西武でプレーすることが決まった。「自分が持っている情報はいろいろとシェアしたいなと思っている」。201センチの頼れる助っ人右腕は、新ルールへの対応でも獅子のブルペンを支える指南役となりそうだ。