体操界のキング・内村航平(33=ジョイカル)が14日、都内で現役引退の会見を行った。

 人気デュオゆずの「栄光の架橋」で入場したキング。引退に至るまでのいきさつや現役時代の思い出を60分に渡って語り続けたが、終盤になって野球界とフィギュアスケート界のスーパースターの名前を口にした。

 報道陣から「日本の体操界、後輩たちへの提言は?」と問われた内村は真っ先に「体操だけうまくてもダメだよって伝えたいです。やはり人間性が伴っていないと」と訴えた。

「僕は若いときは競技だけ強ければいいと思ってやっていたんですけど、やっぱり結果を残していく中で、人間性が伴ってないと誰からも尊敬されないし、発言に重みがない。僕はもうちっちゃい時からずっと父親に『体操選手である前に一人の人間としてちゃんとしていないとダメだ』と言われ続けて育てられたので、その意味がようやく分かった」

 さらに内村は「大谷翔平君もそうですし、羽生結弦くんも、やっぱり人間としての考え方が素晴らしいなって思う。だからこそ国民の方々から支持されて、結果も伴っている。そういうアスリートが僕は本物なのかなと思っている」と話した。メジャーリーグの〝二刀流〟として世界を席巻するエンゼルスの大谷、内村と同じ五輪2連覇の国民的スター羽生の名前を自ら口にし、敬意を表した。

 そして最後に「そういう高い人間性を持った一人の人間に、体操選手としてあってほしいと僕は思いますね」と後輩たちにメッセージを送った。