F1アストンマーティンが〝天才マシンデザイナー〟のエイドリアン・ニューウェイ氏を代表に起用した人事について、長年共闘してきた盟友デビッド・クルサード氏がバッサリ斬り捨てた。

 ニューウェイ代表はこれまで技術部門で実績を積み上げてきたが、アストンマーティンはホンダとコンビを組む今季に合わせてチームのトップにあたる代表職に起用した。だが、これが大失敗。開幕後に不振の原因についてホンダ批判を展開。公の場でパートナーを糾弾する禁断の言動が大きな波紋を呼び、その後ニューウェイ代表は現場に姿を現わさなくなるなど指揮能力が疑問視されている。

 そうした中、国際的なモータースポーツ専門メディア「クラッシュ」は「アストンマーティンのチーム代表昇格はオウンゴール。デビッド・クルサードは、アストンマーティンがエイドリアン・ニューウェイをチーム代表に昇格させたことが『決してうまくいくはずがなかった』と理由を説明した」と報じた。

 クルサード氏はポッドキャスト番組「アップ・トゥー・スピード」で「私はキャリアのほとんどをエイドリアンと一緒に仕事をしてきたので、彼がチーム代表になるなんて想像もできなかった」と切り出す。「彼は技術志向が強く、レーサーであり、技術的な観点から問題解決能力に長けている」とその手腕の特長を語った。

 その一方で「F1の政治、つまりチーム代表が常に対処しなければならないこと、そして時にはメディアとの間で生み出される政治は、全く違う。特にエイドリアンのように60代という年齢ではなおさらだ。何十年もたつと、以前は喜んでやっていたことが、少し年を取ると、もうやりたくなくなることがあるものだ。なぜなら、前に残された時間よりも、過ぎ去った時間の方が長く感じられるからだ」と指摘する。ニューウェイ氏は技術部門が向いており、チームを統括する立場は不向きという。技術畑から代表職に挑戦する例はあるが、ニューウェイ氏のように67歳と高齢になってからは柔軟な対応も難しいというわけだ。

「実際にはPR上のオウンゴールとなってしまった」とクルサード氏は現状を形容した上で「結局のところ、私たちが考えていた通り、最初からうまくいくはずがなかったということだ」と呆れた様子で語った。

 アストンマーティンはそれでもニューウェイ代表体制を続けるのだろうか…。まずは再開初戦となるマイアミ・グランプリ(GP、決勝5月3日=日本時間同4日)に姿を現わすのか注目だ。

クルサード氏(ロイター)
クルサード氏(ロイター)