〝プロレスリングマスター〟こと武藤敬司(59)が7日、都内で会見し来年2月21日に東京ドームで開催する「PRO―WRESTLING〝LAST〟LOVE ~HOLD OUT~」で引退試合を行うと発表した。

 武藤は7月16日の日本武道館大会から引退ロードをスタートし、清宮海斗とシングルで対戦し敗北。第2戦は25日の愛知・ドルフィンズアリーナ大会で藤田和之と組んで船木誠勝、中嶋勝彦組と対戦することが決まっている。

 その最後として思い出深い東京ドームでの引退が決まり、武藤は「レスラー冥利に尽きる非常にうれしいことだと思います」と笑顔。さらに「子供のころ、あしたのジョーが大好きで、最後ジョーはリングで燃え尽きて白い灰になるんですよ。現実とマンガは別かもしれませんが、プロレスラー武藤敬司は、白く灰になりたいと思います」と完全燃焼を誓った。

 対戦相手は現在未定で「候補が数人いる中で、あとは話し合いとかが必要で」と交渉中であると示唆した。だが、続いて当日の生中継でゲスト解説を務めることになった闘魂三銃士の同期・蝶野正洋も登壇すると「俺が(試合を)組み立てるからよ。俺たちデビュー戦したじゃねえかよ」「俺の横に並ぶかタッグマッチで。俺働くよ。9割」と最後の相手として再三のラブコール。これに対し蝶野から「以前から『引退一緒にやろうぜ』って話を振ってもらっていたんですが。去年の暮れに腰を手術してリハビリ中で、まさかこんな早く引退すると思わなかったから間に合わない。解説席で」とやんわり断られる。それでも武藤は「いまだかつてデビュー戦が一緒で引退試合が一緒っていうレスラーはいないからな。数試合するんですよ。そこを通じて蝶野にハッパをかける、アドレナリンを出させる試合をして少しでもリングに近づけるようにいどみますよ」と食い下がった。

 最後に「橋本(真也)も蝶野もだし、三沢(光晴)社長も引退試合をしていないんだよね。ある意味、その人たちの思いも背負ってできたら…と思う」と天を仰いだ武藤。天国のライバルたちへの思いも胸に、最高の引退試合を作るつもりだ。