新日本プロレスの〝猛牛〟天山広吉(55)が、15日両国国技館大会での引退試合を目前に控え、飯塚高史(60)の魂を大捜索している。約35年のキャリアの中でも最大級の心残りが、2008年に「友情タッグ」を結成しながら裏切られ、怨念坊主と化してしまった飯塚の存在だ。残された時間はあとわずか。果たして天山は、最後の最後に飯塚を真人間に戻すことができるのか――。
天山は引退試合で、最高の盟友にしてライバル・小島聡と5分1本勝負のシングルマッチに臨む。「コンディション的にはしっかり道場でトレーニングして、体重も増えてきていい感じで仕上がってきているので。今まで培ってきたすべてをさらけ出したいし、今の自分をがむしゃらに見せて悔いのない戦いができれば。晴れ舞台なので、しっかり花道を飾りたい」と意気込んだ。
最終調整に入った天山が練習の前後に日課としているのが、東京・世田谷区の等々力渓谷の散策だ。2008年4月大阪大会で結成間もなかった友情タッグを裏切り、極悪人となった飯塚はインタビューで「昔の飯塚高史は等々力渓谷のどこかにある祠(ほこら)に封印した」と証言。しかし、今日に至るまでその姿は発見されていない。
天山は飯塚の引退試合(19年2月)前にも同地を徹底的に捜索したが徒労に終わり、怨念坊主は真人間に戻らないまま引退してしまった。あれから実に7年半の月日がたち、今度は天山がリングを去る日が近づいている。「あの日も最後に試合をして、友情タッグで完結したかったという思いがあったので。やっぱり心残りというか、もう一度もしできるのであれば、友情を復活したいなという思いがありますね」と胸中を明かした。
飯塚は引退後も神出鬼没で、24、25年には北海道・登別大会に登場している。しかし、天山は「辞めた後もあのままの姿でいるっていうのが…彼自身も成仏できなかったのかなって。戻ってくれればっていうかすかな期待があるんですけどね」。理不尽な裏切りにあいながらも、いまだに友情の二文字を信じている。
11日には記者も捜索に加わったが、飯塚の良心らしきものはやはり見つからず、天山は「まさにツームストーン…」と天を仰いだ。最終手段として「できるのであれば友情タッグを思い出してほしいし、もし来てくれるのであればどんな形でも受け入れたいなと。最後のチャンスというか、これが最後のリングなので」と飯塚の両国大会来場に期待を寄せたが…。
「プロレス界に友情はあるのか?」。その答えは、猛牛の最後の日に出る。














