タッグ戦線にルネサンスを起こせるか。ノアの〝天才〟丸藤正道(42)が、武藤敬司(58)とのGHCタッグ王座取りに並々ならぬ決意を抱いている。13日の横浜武道館大会で王者の清宮海斗、マサ北宮組への挑戦を控え、ベルト奪取後は自ら磨き直すと宣言。隣に立つレジェンドからの刺激も武器に、同王座を新たなステージに導く。

 約1年ぶりの挑戦を控えたGHCタッグ王座について、丸藤には思うところがある。シングルのGHCヘビー級王座と比べた〝重さ〟だ。

「ベルトの歴史という部分で、どうしてもシングルの方が注目されるというか。でも、タッグも素晴らしい先輩たちが巻いてきたっていう部分は俺の中ですごく大事で。ベルトの価値が下がっているわけじゃないけど、注目度が低くなっていると思うんですよ」

 GHCタッグは2001年にベイダー&スコーピオが初代王者となってから、三沢光晴&小川良成や大森隆男&髙山善廣の「ノーフィアー」などそうそうたるコンビが腰に巻き、GHCヘビーに劣らぬ注目を集めてきた。だが、近年は後塵を拝しているのは事実だ。

 そこで丸藤は「強いて言うなら、そこをやってこられなかったというのは、俺ら(の世代)が悪いのかもしれない。その役割を果たすためにも、このベルトを一丁取った方が、この団体のためにもいいんじゃないかと。武藤さんとなら過去をしっかり見つつ、新しいものをつくり出せるんじゃないか。タッグ王座のルネサンス? そう。そういうこと」を目を輝かせた。

 武藤となら再びGHCタッグを輝かせることができるという。しかもパートナーからは、存分に刺激を受けている。「誰しもがあこがれてきた人とタッグを組んで何か一つのものに挑戦できるというのは、この世の中で俺しかいないから光栄に思うし。それを結果にしなければいけないなというプレッシャーもあるし」と表情を引き締めた。

 さらに〝アラカン〟を迎え、なお戦いの最前線に立つ武藤の姿を見ることで、新たな目標も芽生えた。「誰しもがなれる存在ではないけど、自分もそうなってみたいなという気持ちはありますよ。ノアのみならず、プロレスの歴史に名を残すというか。少しは俺にもその可能性があるかと思っているので。そのためにも今回武藤さんと組んで勝つことが、そこにつながるかと思うし」

 この上ないパートナーとともに、ベルトを磨き直す。誓いを新たにした天才は、横浜決戦に集中した。