マット界に〝流浪の教授〟が誕生? 全日本プロレスのヨシタツ(44)が、プロレスラーと大学講師の二足のわらじを履くことを宣言した。

 ヨシタツは9日、公立の都留文科大でゲスト講師を務めた。早野慎吾教授の依頼を受けて国語学の講義で教壇に立ち「エンターテインメントに大切な語学力」のタイトルで、学生の前で熱弁を振るった。「俺の自伝を読んで早野教授が呼んでくれたそうなんですけど、学生さんもたくさん来てくれたし、やって良かったです」と充実感を口にした。

 教鞭をとるのは今年2回目。3月にも国立の琉球大でゲスト講師を務めており「公立と国立から呼ばれるのは珍しいことらしいです。これからも、どんどん若い人たちに思いを伝えたいです」と意気込んだ。そんなヨシタツが〝若者〟を意識したきっかけは女性アイドルグループ「SPEED」元メンバーで自民党・今井絵理子参院議員(38)の長男・今井礼夢(17)の存在だ。

 先天性難聴というハンディを抱えて2020年12月にプロレスデビューした礼夢だが、米WWE参戦という夢をかなえるためにヨシタツの門下に入った。その思いを正面から受け止めて「礼夢の姿を見ていたら、レスラーだけじゃなくて、若い子たちに世界をどんどん目指してほしいと思って。そのために俺のWWEでの経験が生きるなら、伝えていきたい」と思うようになった。ヨシタツは「これからは、プロレスラーと講師の二刀流でいきます。だから、その機会をもらえる大学があったら連絡をください」と呼びかけた。

 本業では12日の東京・後楽園ホール大会で行われる6人タッグトーナメントにTAJIRI、ブラックめんそーれと組んで出場する。現在、王道マットは各ユニットの先行きが不透明。立花誠吾、植木嵩行を従えて全日本プロレスTV認定6人タッグ王座を保持しているヨシタツは「今はユニットも再編期に入っているけど、その中心になるのはオレしかいないでしょう。ユニットのベルトである6人タッグも持っているし。そこに加えてトーナメントも勝てば主導権が握れる。何としても勝ちますよ」と力を込めた。

 教壇とリング、その両方でヨシタツは使命を果たすつもりだ。