全日本プロレス・31日の後楽園大会メインでGAORA TVチャンピオンシップが行われ、入江茂弘(33)が石川修司を破り第20代王者となった。

 試合は壮絶を極めた。序盤から入江は石川と巨体をぶつけ合う。両雄が重いヘッドバットを繰り出し、頭と頭がぶつかり「ゴツ! ゴツ!」と低音が響くと、会場からは悲鳴が上がる。そんな頭突き合戦を石川に制された入江は、その後ファイヤーサンダーにスプラッシュマウンテン、カミゴェと大技を食らいピンチの連続となった。

 だが猛攻を耐え抜いた入江は、とどめとばかりに走り込んできた石川にこれ以上ないタイミングでカウンターのビーストボンバー(ラリアート)を叩き込むことに成功。これで動きを止めると、さらにもう一発のビーストボンバーを叩き込み3カウントを奪った。

 入江は「8年前、初めて全日本プロレスに参戦してからシングルの結果を何も残すことなく過ごしてきました。まだまだ自分が強いと思わないし、納得する勝ち方でもないけど、全日本プロレスのメインでシングルのベルトを巻けて、本当に嬉しいです」と万感の様子。所属ユニット「パープルヘイズ」のメンバーに感謝を口にすると、そのリーダー・ゼウスから赤いベルトを腰に巻かれた。

 そのゼウスは今年いっぱいで全日本を退団し来年から大阪プロレスの選手兼任社長になることを発表済み。入江と組んで11月13日の東京・後楽園ホール大会で開幕する「世界最強タッグ決定リーグ戦」に出場するとあって「この全日本で残すタイトルは世界最強タッグのみ。自分のプロレス人生をかけて、ここにいる入江茂弘という最強のパートナーと共に必ず、世界最強タッグを取りに行きます」と宣言していた。