ソフトバンクに0―1で敗れた阪神は、6月初黒星で連勝が6でストップ。先発・西純矢が7回5安打1失点の力投を披露したものの、味方打線が7安打無得点と見殺しにした格好だ。

 矢野監督も「(相手先発・東浜に)あれだけいいコースに投げられると…。点を取りたかったし勝ちたかったけど、そういうところは受けとめていかないと」と悔しさを押し殺した。

 今季34敗のうち、この日も含めて1点差負けは17度目。打線に勝負所での「あと一本」「あと1点」が出ず、接戦を落とすケースが目立つ。その要因の一つとして挙げられるのが、助っ人野手陣の低調だ。77勝を挙げ、優勝したヤクルトと0ゲーム差の2位に終わった昨季は、マルテが「3番・一塁」に定着して22本塁打、71打点をマーク。昨季限りでチームを去ったサンズも20本塁打、65打点と及第点の成績を残した。

 だが、今季のマルテは打率1割9分7厘、1本塁打、3打点とサッパリな打撃内容。5月26日から右足のコンディション不良により、今季2度目のファーム再調整を余儀なくされている。来日2年目でブレークが期待されていたロハスも打率1割7分9厘、3本塁打、9打点と冴えない。

 助っ人勢に負傷離脱、成績不振が相次いだことから、5つある外国人選手の一軍登録枠を有効利用できていない。球団OBも「外国人枠がロクに埋まらなかったこともあり、助っ人たち同士の競争も起こらず、どこかマルテやロハスも緊張感や危機感を欠いているように見える」と指摘する。

 7日に一度は守護神失格の烙印を押されたケラーが一軍に再昇格したことで、一軍の外国人枠は久々に5つ全てが埋まった。球団が水面下で新外国人野手獲得に動くことも予想される中、ようやく虎の助っ人勢の〝生存競争〟も活性化されてきそうな見通しだが、果たして…。