黒星地獄の泥沼はいつまで続くのか…。阪神は13日の中日戦(バンテリン)を0―1で今季2度目サヨナラ負け。引き分けを挟んで5連敗となり、借金13で首位・巨人とのゲーム差は「10」に広がった。

 試合は9回まで0―0の攻防も、最後は6番手・加治屋蓮(30)が2イニング目となった延長10回に、二死一、二塁から大島に右中間にサヨナラ決勝適時打を浴び、力尽きた。とはいえ、投手陣はむしろ「大健闘」の一日と言っていい。

 リーグ最下位に沈むチームには試合前、さらなる衝撃が走っていた。この日、当初は先発予定だった伊藤将司(25)と藤浪晋太郎(28)にコロナ感染が発覚。急きょ、チームは代役の先発に小川一平(24)を送り込み、この日、登録されたばかりの加治屋も含めた6投手で、9回まで何とか無失点で持ちこたえたいた。

〝緊急事態〟ともなっていた一戦で奮闘を続けた投手陣を矢野燿大監督(53)も「小川も『3回ぐらいかなぁ』っていう気持ちはあったんで。5回までいってくれたのは大きかった。ピッチャー陣は本当にみんなよく粘ってくれた」と責めることはせず、労をねぎらった。

 だが、得点しないことには「2勝目」の可能性も芽生えるはずもない。結果的に投手陣を〝見殺し〟にしてしまった猛虎打線はこの日、中日の4投手にわずか3安打で12三振を喫し、無得点。これで4試合連続で打線は1得点以下となったことに北川打撃コーチは試合後「う~ん…何て言えば…」と歯切れも悪く「先頭打者の出塁というのは口酸っぱく言っていくしかないし、何とかつないで(走者を)返すという。何とかみんなで打破していきます」と話すのが精いっぱいだ。

 この日、12日までに特例抹消された江越大賀外野手(29)がこの日までに新型コロナウイルス陽性判定を受けたほか、伊藤、藤浪の感染と濃厚接触者の疑いがあるとして山本泰寛内野手(28)、馬場皐輔投手(26)も出場登録を抹消された。

 低迷が続くチームに追い打ちをかけるかのように、チームに新たに押し寄せてきた〝コロナショック〟。逆境に次ぐ逆境を矢野阪神は、はね返すことができるのか…。