首位争いが熱を帯びても、当の指揮官はどこ吹く風だった。ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(53)のパドレスに対する発言が、米メディアの格好の〝攻撃材料〟になっている。
ドジャースは21日(日本時間22日)、敵地オラクル・パークでのジャイアンツ戦に1―3で敗戦。山本由伸投手(27)は初回に3点を失いながらも7回3失点に立て直したが、打線が3安打1得点と沈黙した。一方でパドレスは同日、敵地クアーズ・フィールドでロッキーズを1―0で下して3連勝。同日時点でナ・リーグ西地区はともに16勝7敗となり、順位表ではパドレスがドジャースと同地区首位に並び立つ形となった。ドジャースの独走ムードは、ここで一気にしぼんだ。空気は確実に混戦模様へと変わりつつある。
そんな局面でロバーツ監督は、白星を重ねるパドレスについて「正直言って私たちは他のチームのことは、あまり気にしていない」と説明。「それが私たちの考え方。どのチームに対しても、失礼なことを言っているわけではない。ただ、自分たちのチームをきちんと管理し、良い野球をすることに集中すれば、結果は自然とついてくる」とも続けた。
しかしながら地元紙「カリフォルニア・ポスト」は明らかにパドレスの勢いが加速しているにもかかわらず、指揮官が相手の急浮上をほとんど意に介していないように映るという構図を詳報。経済誌フォーブスも「地区ライバルを軽視」と受け止めた。危機感をあおる側と、平常心を崩さない現場トップ。その温度差自体がヒートアップしている。「開幕1か月で早くもデッドヒートの状況になりつつある」というあおりまで飛び出した。
もちろんロバーツ監督の真意は相手を見下すことではなく、あくまで162試合を戦う上での平常心の強調だろう。実際、21日の試合後は山本の粘投を高く評価し、視線を次戦へ向けている。ただ、パドレスが同日時点で直近10試合を9勝1敗と猛烈な勢いとなっているタイミングだけに、この泰然自若は「頼もしさ」にも「無神経さ」にも映る。王者ドジャースの余裕なのか、それともライバルの足音を甘く見た強がりなのか。ロバーツ監督のひと言は、周囲に小さくないざわめきを残している。












