阪神・矢野燿大監督(53)が沖縄・宜野座キャンプを翌日に控えた31日の全体ミーティングで今季限りでの退任を表明した。
衝撃の「退任宣言」には確かに予兆があった。昨年末だ。矢野監督の旧知の人物からこんな問い合わせがあった。
「矢野さん、監督を辞めるなどとおっしゃっていますけど、大丈夫でしょうか?」
昨年は最後の最後まで優勝争いを演じた。頂点にこそ届かなかったが、就任から3年連続Aクラス。2022年シーズンの続投も決まった。しかし、キャンプイン前日のミーティングで、矢野監督は選手やコーチ、スタッフの前で決意表明した。別の関係者は「もともとは3年で辞めるつもりだったみたいです。そやから優勝しておきたかった」と証言する。
昨季は優勝したヤクルトにゲーム差なしの2位だった。シーズン77勝は両リーグトップ。それでも称賛の声よりV逸の原因を突く批判は少なくなかった。この空気を矢野監督は敏感に感じ取っていたという。
巨人に13ゲーム差を逆転されてV逸した2008年、指揮を執っていた岡田監督は疲弊しきっていた。食事はのどを通らず、弁当の白飯を茶漬けにして流し込んでも嘔吐してしまう状態。ストレスで胃はボロボロにやられていた。
矢野監督はその姿を現役選手として目の当たりにした。虎の指揮官という激務を長く続けるものではない――そう心に刻まれていたとしても不思議ではない。
優勝したいかという問いに「俺は、そらしたいよ。俺たちの野球を貫くその先にそれはあると思うので、決意、覚悟はしっかりできたかと思う」と返した。指揮官の言葉は虎ナインにどう響くのだろうか。












