来年に向けて強い決意を示した。ソフトバンクのウラディミール・バレンティン外野手(37)が28日にタマスタ筑後で本紙の取材に応じ、今後について激白した。8月から最近まで自身のSNS上で立て続けに引退を示唆するような投稿をしていたが、2013年に60本塁打の日本記録を打ち立てたレジェンド助っ人の本音とは…。

 事の始まりは8月5日の深夜だ。自身のツイッター上で「日本での最後のシーズンの時が来ました。神宮ですべてのファンの前で記念試合ができることを願います」とつぶやいた。それ以前にも「すべてのことに終わりがある」とツイートするなど意味深な投稿をしていた。

 今月に入ってからも25日にツイッターで「Me know sept 30 its closer」(原文ママ)とつぶやき、自身のインスタグラムでは動画に「Holiday is what I NEED」(私に必要なのは休日だ)の言葉が添えられていた。

 今季限りで引退か。バレンティンに2022年について直撃すると…。「家に帰ったら練習して、準備をして、できればもう1年日本でプレーしたい」と〝現役続行〟を力強く宣言した。続けて「もし今、引退するとなったら、それは正しい道ではないと感じたから」とも話した。

 実はSNSでの投稿後、友人の一人から連絡が来たという。「君はとてもいい選手だ。こんなふうに引退することは本当に正しい方法なのか?」。こう言われたバレンティンは考えに考え抜いた。そしてもう一度、挑戦することを決意。「自分がプレーする機会をくれる球団があれば挑戦したい」と語った。

 ソフトバンクでの推定年俸は5億円。昨年は60試合、今年は22試合の出場にとどまっていることもあり、再契約は極めて厳しい状況だ。それでも「年俸は気にしない。日本でプレーするチャンスがほしいだけ。ラミちゃん(アレックス・ラミレス元DeNA監督)が持つ外国人選手の記録もできれば抜きたい」と意欲を見せた。

 来年、好転を信じる材料もある。その一つが昨年からのコロナ禍で禁止されていた家族の入国の解除だ。バレンティンには9歳の長女ミアちゃんと、2歳3か月とかわいい盛りの息子カイルくんの2人の子供がおり、今まで離れ離れの生活だった。「家族も来年、日本に来る準備はできている。今年よりも入国は厳しくないと思うし」と話す。

 ソフトバンクで自身が置かれた状況は理解している。9月30日のウエスタン・リーグ中日戦が最終戦になる見込み。その後、自宅のある米国に帰宅し来年の契約を待つ。バレンティンは「もしどこかが契約してくれるならチームを助けるプレーをできると思う。契約がなかったら? それが自分の評価。引退するよ」とも。レジェンドが再び輝く日は来るのか、果たして…。