いつになったら声がかかるのか…。広島は9日の巨人戦で捕手の坂倉を一塁、翌10日は内野が本職の羽月を中堅で起用。11日の3戦目こそ0―9と零敗を喫したが、若ゴイの奮闘もあって今季初の巨人戦でカード勝ち越しに成功した。
佐々岡監督も「二軍にいる若い選手もファームで頑張れば(一軍で)使ってもらえるという気持ちになるだろう」と目を細めていたが、若手の複数ポジション起用は一過性のものではない。今年は二軍でも2017年ドラフト1位の中村奨成捕手(21)が起用の幅を広げるため、左翼や三塁に挑戦中だ。
しかし、今春キャンプから二軍生活が続く18年ドラフト1位の小園海斗内野手(20)だけは、そうした方針と一線を画す育成法が取られている。
「遊撃手として大きく育てる。ポテンシャルは抜群だが、守備に関して課題は多い。いろんな場所をやらせるのではなく、今年は遊撃一本で使われることになる。一軍に上がるときはスタメンで起用されるときだろう」(球団関係者)。昨季二軍では三塁などでの起用もあったが、今年は遊撃固定が徹底されている。
ウエスタン・リーグでは打率3割3分3厘(11日現在)と絶好調。一軍で正遊撃手の田中広が打率1割8分5厘と不振に陥っている今はチャンスにも思われるが、小園が真の実力をつけるまで昇格はなさそうな雲行き。ファンの期待も高いだけに早く成長した姿を一軍で見せたいところだ。