昨季5位からの巻き返しを期す広島も、若手に生きのいいのが出てこない。18日の紅白戦では会沢翼捕手(32)や菊池涼介内野手(30)らがバットや走塁で存在感を示したが、開幕一軍を目指す林晃汰内野手(20)、羽月隆太郎内野手(20)らは無安打に終わった。

 実戦が本格化する中で主力と若手の実力差が顕著になっている。この現状には佐々岡監督も「期待している選手がまだ自分の力を発揮できていない。結果も内容も伴っていない。ここにいるメンバーはお尻に火が付いている選手もいる」とため息交じりだ。
 
 一方、そんな若手にチーム内からは、こんな声が上がっている。

 今キャンプでも若ゴイたちは早出から居残りと猛練習を積んでいるが、いかんせん結果が伴わない。そんな伸び悩む若手にチーム関係者は「もっと質問魔になれ」と切り出し、こう続ける。

「先輩にいいお手本がたくさんいるのだから、もっと貪欲に教えてもらいにいくべき。今の主力選手たちは助言を惜しまない人ばかり。遠慮している場合ではないはず」

 孤高の天才と言われた前田智徳氏(現野球評論家)がバリバリの主力だった当時の赤ヘルは、若手が話し掛けることもままならなかった。しかし時代は変わり、野球に対して誰よりもストイックな鈴木誠也外野手(26)も「伝えられることは伝えて、みんなで活躍したい」との考え方で、助言を受けられる環境は整っている。

 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥――。若ゴイに足りないのは勇気なのかもしれない。