広島の主砲・鈴木誠也外野手(26)が本紙の新春インタビューに応じた。昨年は史上4人目となる5年連続「3割&25発」を達成したが、チームは5位と低迷。金メダル奪還を掲げていた東京五輪もコロナ禍により延期となった。そんな無念を晴らすべく燃える赤ヘルの主砲が、野手主将として臨む今季への意気込おくさみや東京五輪への思い、さらにはメジャー挑戦についても〝誠也節〟で語った。


【広島・鈴木誠也 2021年新春インタビュー(2)】

 ――昨年は奥様(=畠山愛理さん)に支えられた面もあったのでは

 鈴木誠 そうですね。何か気は使ってくれてたのかなと。無駄に話し掛けてこないでくれたりとか。あんまり僕、家ではしゃべらないので。

 ――無口なんですか

 鈴木誠 ほぼ無口ですね。テレビをずっと見てます。ソファーで寝っ転がってずっとぼーっとしているタイプなので。

 ――野球のことも考えていない?

 鈴木誠 いや、考えてます。そっちメインですね。ずっとボケーッとしていろいろ考えてたりしてます。だから食事もそうだし、ありがたいなと思います。

 ――空気を読んでくれる

 鈴木誠 察知してくれますね。僕言いたくないのでそういうことも。それを分かっていてほしいんですよね。「自分で分かれ」「感じてくれ、頼むから」という。そういうことも言いたくないんですよ。だから本当に分かってほしい時は雰囲気に出すんですよ。解き放つんです(笑い)。

 ――試合で嫌なことがあっても家には持ち込まない

 鈴木誠 球場でシャットアウトしてから出ますね。だから早く切り替えられたときは早く帰るし、長いなと思ったら、そのまま球場にいて気持ち落ち着いたら帰るようにしています。そのうちここ(マツダスタジアム)で寝泊まりしてるかもしれない(笑い)。

 ――昨オフは若手に「ゆっくりやっていたら野球人生が終わってしまう」とハッパを掛けたが、若手の成長はどう見る

 鈴木誠 僕が言うことじゃないと思いますけど、みんな必死にやっていると思うし本当に頑張ってほしい。

 ――突き上げがないとは感じるか

 鈴木誠 それは感じます。僕より下で出てきているのが坂倉くらい。外野手とか内野手にはいない。そういう選手が出てこないとチーム的にはきついんじゃないかなと思う、若い選手が少しでも早く出てこられるようにしたい。

 ――契約更改では「若手がやりやすい環境を作る」とも言っていたが

 鈴木誠 チームの雰囲気が暗くなると(若い選手は)気を使うというのがあると思う。でも、僕もまだそこまで成長できていないので成長したい。イラっとしたらどうしても顔に出てしまうので直したいですが…。〝無〟でいる人とかいるじゃないですか。(巨人の)丸さんとか一切〝無〟なんですよ(笑い)。そういう人になりたいなと思うんですけど、難しいです。

 ――直したくても直せない

 鈴木誠 昔から思ってるんですけどね…。新井(貴浩)さんも「昔は俺もそうだったからそのうち分かるよ」と言ってくれるんですけど、本当にそうなんかなと…。昔よりは抑えられるようにはなってきた。でも僕の場合、怒りを抑えると「もういいわ」ってなるんですよ。それが嫌なんです。怒ったまま「ボンっ」て入りたい。それをなるべく表情に出さないでやりたい。〝無〟の状態で(胸を指し)ここだけ燃やします。