究極の選択になるかもしれない。今オフにFA宣言したヤクルトのエース・小川泰弘投手(30)の獲得に動く日本ハム内で、早くも〝獲得後〟を心配する声が上がっている。

 すでにポスティング申請しているエースの有原はメジャー球団への移籍が決定的となっており、プロ8年で通算75勝の小川は喉から手が出るほど欲しい投手。ただ、今季年俸が9000万円でBランクとみられ、獲得となればヤクルトに対する人的補償が伴う。

 そこでクローズアップされるのが、今季はプロ10年目で初の一軍登板なしに終わった斎藤佑樹投手(32)だ。チーム関係者は「おそらく佑ちゃんは(プロテクトから)漏れると思うんです。そうなった場合、どっちに転んでも大変だと思うんですよね」と天を仰ぐ。

 どういうことか? ヤクルトは過去に水面下でトレードによる斎藤獲得を何度か打診してきた。そのたびに日本ハム側は断ってきたわけだが、もしプロテクトから外れたら、指名してくる可能性は十分にある。そうなれば「ここまで佑ちゃんを残してきたのに、ここであっさり手放してしまっては今までは何だったのか」という事態になりかねない。

 一方で、斎藤は今オフに不安のある右ヒジを保存療法で治していくと決めた。人的補償で指名されたくないばかりにプロテクトしたら「将来性のある若手より、投げられない斎藤をプロテクトするのか」と批判される可能性もある。

 すべては日本ハムが小川の獲得に成功したら…という仮定の話ながら、ちょっと気になるところだ。

(金額は推定)