【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】偶然ではある。だが、また思い出してしまうような試合展開に「寂しがりだな」と思ってしまった。28日の西武―ソフトバンク戦(メットライフ)。最終的に救援陣の活躍と、9回無死満塁からの森友哉の中前サヨナラ適時打で西武が勝利を収めた。
3年前の同じ日に投手コーチだった森慎二さんが多臓器不全のため42歳で他界。前日まで元気だった189センチの大男が、体調不良を訴えて遠征先の博多で急死したのだ。
その森さんと同姓の森友哉が試合を決め、名リリーバーだった同氏の教え子だった平井が7回を、増田が9回をピシャリと締めて白星を呼び込んだ。森さんが「自分の教えを忘れるなよ」と天国から力を送ってきたかのような結果だった。
森さんは現役時代から探究熱心だった。決め球のフォークの研究にも余念がなかった。02年3月のオープン戦、巨人戦の遠征中だった。当時、20歳で巨人の若きリリーバー・條辺剛さん(現うどん店経営)と会食する機会があった。
その席で森さんは年下の條辺さんに「こういう気配を感じたら打者はフォークを見逃してくる」などと自らの経験を惜しげもなく披露。ともに決め球がフォークとあって握りを教え合うなど、研さんを深め合っていた。
森さんはもうグラウンドにはいない。だが、研究熱心な森さんの弟子が代わりに躍動している。今年もその存在を思い出してしまう西武の勝利に、3連覇へのにおいを感じずにはいられなかった。












