看板スターは売れず、日本人右腕は値踏みの俎上にすら載らない――。迷走メッツの再建論が、もはや容赦ない。メッツは16日(日本時間17日)、敵地フィラデルフィアでフィリーズに4―1で勝った。だが41勝57敗、勝率4割1分8厘でナ・リーグ東地区最下位。リーグ最低勝率のロッキーズ(39勝59敗)との差はわずか2勝上回るだけだ。8月3日午後6時(同4日午前7時)のトレード期限を前に、もはや「買い手」ではなく「売り手」として再建へかじを切る以外に道はない。
米メディア「ヤードバーカー」は16日、メッツがフアン・ソト外野手(27)と一部の有望若手を除き、ほぼ全選手について他球団からの打診を聞く構えだと報じた。放出候補にはブルックス・レイリー投手(38)、A・J・ミンター投手(32)、ルーク・ウィーバー投手(32)ら救援陣に加え、フレディ・ペラルタ投手(30)や故障離脱中のクレイ・ホームズ投手(33)まで浮上している。
最大の焦点はフランシスコ・リンドア内野手(32)だ。16日の試合前時点で打率2割1分6厘、OPS0・671、WAR0・5。自身の基準だけでなく、リーグ全体で見ても大型契約に見合わない体たらくだ。ソトとの関係を巡る不仲説も火種としてくすぶり続けている。
それでも同メディアは、リンドアが「トレード可能になる兆候はない」と断じた。今の不振では買いたたかれ、移籍先で復活する危険もある。放出するなら、球団がエリート選手としてのキャリアは終わったと見切り、長期契約から逃れる大ばくちを打つ時だけだという。
だが、傷口を覆い隠したままでは再建も進まない。保有継続論が根強い一方、米NYを拠点とする放送局「SNY」などから「リンドアを放出せよ。放出しなければメッツに明日はない」とする異例の放出論が噴き出すのも、40勝台前半でもがく現状を見れば当然だ。看板選手を聖域化したまま周囲だけを入れ替えても、チームの空気も未来図も変わらない。
そして何よりも痛烈なのが、千賀滉大投手(33)の扱いだ。今季は11試合で0勝7敗、防御率8・69。先発から救援へ回された末、前出のSNYやヤードバーカーなどが報じたメッツ再建策関連の記事内では具体的な放出候補として名前すら挙がらなかった。「残すべき戦力」ではなく、「市場で値踏みするほどでもない」と受け取られかねない屈辱的な立ち位置である。
リンドアは動かず、千賀は話題にもならない。メッツが本気で未来を取り戻すなら、聖域も過去の実績も捨て、今こそ大なたを振るうしかない。












