常勝軍団の栄華も、希代のスターが思い描く〝引き際〟を変えることはない。米メディア「ヘビー」は16日(日本時間17日)、ドジャースのムーキー・ベッツ内野手(33)が最新のインタビューで残された現役生活を「あと5、6年」と見通した発言をクローズアップした。

 ベッツは今年1月、現在の契約が満了する2032年シーズン限りで引退する意向をすでに示している。今回、その方針を改めて口にした上で、ドジャースの黄金時代が続いても自らの決断は変わらないと言い切ったことが、注目されている。

 同メディアと米スポーツサイト「R.org」に属するDJ・シディキ記者のインタビューに応じたベッツは、残りの現役期間を問われると「あと5、6年はプレーできると思う」と回答。「毎年、その期間がどんどん長くなっているように感じる。プレーするたびに、また5年契約を結んだような気がする」と笑わせつつ「引退年齢は特に決めていない。自分がその時だと感じたらユニホームを脱ぐ。誰かに脱がされるのではなく、自分の意思で終えたい」と胸中を明かした。

 ただ、引退構想そのものが初めて示されたわけではない。今年1月には動画配信サービス「Roku」の番組で、契約が満了する2032年シーズン限りで引退する意向を表明。当時は40歳となる自分と成長した子供たちの年齢を挙げ、現役後は家族との時間を優先したいとの思いを語っていた。今回の「あと5、6年」はその既定路線からさらに踏み込んで、最新の言葉で再確認した格好だ。

 ベッツはレッドソックスで1度、ドジャースで3度の計4度、ワールドシリーズを制覇しており、現役選手では最多。ドジャースは昨季まで2年連続世界一に輝き、今季も球宴休みまで61勝36敗のメジャー最高成績を残した。

〝王朝〟が続けば引退時期が延びるのかと問われても「それは違う」と即答。「期待されるチームでプレーできるのは恵まれているし、決して当たり前ではない。でも、それが自分を縛ったり、引退を思いとどまらせたりすることはない」と言い切った。

 加えて大谷翔平投手(32)を「史上最高の選手」と評し、今季のサイ・ヤング賞獲得を狙っているのではないかとの問いには「彼がまだ取っていない唯一のものだから、そうだと思う。史上初めてすべてを勝ち取る選手になるだろう」と最大級の賛辞も送った。

 世界一を重ねても、大谷と黄金時代を築いても、最後に決断するのは自分――。今回の発言は突然の引退宣言ではない。それでも、ドジャースの象徴が残された時間を具体的に「5、6年」と口にした意味は重い。華やかな王朝の時計とは別に、ベッツ自身のカウントダウンも静かに進み始めている。