売るのか、残すのか――。快進撃の裏で、名門が究極の二択を迫られている。レッドソックスは球宴休みの16日(日本時間17日)時点で46勝48敗のア・リーグ東地区3位。12日(同13日)のメッツ戦を延長10回の末に3―2で制し、連勝を「9」としている。直近16試合では14勝2敗。最大14あった借金を2まで減らし、ワイルドカード最後の枠にいるマリナーズ、ツインズとはわずか0・5ゲーム差まで迫っている。
そこで急浮上しているのが、アロルディス・チャプマン投手(38)の処遇だ。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は、通常なら「買い手」か「売り手」かの二者択一となるトレード期限で、ボストンには守護神を放出しながらポストシーズン進出も追う異例の選択肢があると指摘した。
9度目の球宴選出を果たしたチャプマンは今季30試合で1勝3敗、19セーブ、防御率2・20。28回2/3を投げて36奪三振を記録し、今なお100マイル(約161キロ)級の剛速球を投げ込む。昨季の6・7%から9・9%へ上昇した四球率には不安を残すものの、優勝を狙う球団にとって市場屈指の救援投手であることに変わりはない。
契約も判断を難しくする。今季40回に到達し、シーズン後の身体検査を通過すれば、2027年の年俸1300万ドル(約21億円)が保証される。現時点で残りは11回1/3。登板を重ねるほど翌年分の負担が現実味を増す一方、放出すれば最も価値が高いタイミングで有望株を獲得できる可能性がある。米スポーツ専門局「ESPN」のジェフ・パッサン、カイリー・マクダニエル両記者が6月中旬に移籍確率を90%と見積もったのも、その市場価値の高さゆえだ。
同サイトが示した〝ウルトラC〟は、チャプマンを有望株と交換し、その一方で手持ちの若手を差し出して即戦力を獲得する「売って買う」策。抑えには今季防御率2・18のギャレット・ウィットロック投手(30)を回せるため、ブルペンの致命傷を避けながら将来資産と目先の戦力を同時に確保できるという読みだ。
ただし、9連勝の勢いが後半戦でも続けば、絶対的守護神を手放す行為は自ら勝機を削る危険な賭けとなる。逆に再失速すれば、好条件を引き出せるうちに売るのが合理的だ。期限は米東部時間8月3日午後6時(同4日午前7時)。買う、売る、あるいは両方を同時に敢行するのか。名門の命運を左右する決断まで、残された時間はあまりに短い。












