エンゼルスの大谷翔平投手(27)は1918年のベーブ・ルース以来の「2桁勝利&2桁本塁打」にあと1勝と迫り、史上6人目の「45(本塁打)―25(盗塁)」にもあと1盗塁と王手をかけた。二刀流として歴史的なシーズンを送っている大谷がFAになるのは2023年のシーズン終了後だ。仮に今オフにFA市場に出たら年俸はどこまで跳ね上がるのか。米ワシントン・ポスト紙(電子版)がはじき出した金額は驚異の5800万ドル(約64億円)超だ――。

 同電子版は23日(日本時間24日)に「唯一の二刀流スター大谷翔平がア・リーグMVPであるのは明確だ」との見出しで大谷の投打の傑出ぶりを伝えた、米データサイトのファングラフスのWAR(fWAR)を使って年俸を算出した。

 WARとは打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価し、そのポジションの代替可能選手に比べてどれだけ勝利を上積みしたかを算出したもの。つまり、選手の貢献度だ。

 20年現在、FA選手の年俸を1WARにつき800万ドル(約8億8000万円)に換算する。「打者・大谷は4・6fWAR。つまり3660万ドル(約40億5000万円)の価値があり、今季年俸300万ドル(約3億3000万円)、来季550万ドル(約6億1000万円)の大谷は、エンゼルスにとって多大なる利益をもたらしている」と打者として今季年俸額の12倍のリターンをもたらしていると絶賛した。

 投手・大谷は2・7fWAR。つまり、「21年の投手・大谷の評価額は2170万ドル(約24億円)で、300万ドルに対し、打者と投手で合計5800万ドルを超える価値をもたらしていることになる」というから驚くしかない。

 米スポーツ専門局ESPN(電子版)は8月12日(同13日)に大谷の今後の年俸を「少なく見積もって5年2億5000万ドル(約277億円)さ」と「1年5000万ドル(約55億円)」と予想したが、軽く上回った。米サイトのスポットラックによると今季のメジャー最高年俸はエンゼルスの同僚、マイク・トラウト外野手(29)の3716万6667ドル(約41億2000万円)。二刀流はそれだけ希少ということだ。

 ア・リーグのMVPレースを争っているブルージェイズのゲレロは6・8fWARで、大谷は投打合計で7・3fWAR。同電子版は「チームの勝利に最も貢献しているのは大谷」と断言。「『大谷にできるなら…』と若い選手が触発されたら、今後、二刀流の波が押し寄せる可能性がある」と締めくくった。

 野球少年の夢を実現した二刀流はメジャーの年俸にも大きな影響を与えることは間違いない。