「令和の怪物」こと大船渡・佐々木朗希投手(3年)の登板回避問題が各方面に波紋を広げている。国保監督が決勝戦の敗退後に「理由は故障を防ぐため。この3年間の中で一番壊れる可能性が高いのかなと思った」と説明した佐々木の身体的不安は、どうやら昨秋の岩手県大会で痛めていた「股関節痛の再発」にあったようだ。
大船渡に近い関係者は「言われているような肩、ヒジの問題ではない。彼の場合は去年秋の県大会から股関節に不安があった。盛岡四戦で194球を投げた3日後の準決勝(一関工戦)で129球を投げた過程の中、そこの不安が出てきたんでしょう。そういった流れがあっての決断。監督はあの(決勝戦の)朝、突然判断したわけではない」と証言した。
同箇所は大船渡が今春センバツ出場を逃した直接の原因である、昨秋の岩手大会3位決定戦(対専大北上)直前で発症した、163キロ右腕・佐々木の“アキレス腱”とも呼べる部分だった。
この時は前日の準決勝・盛岡大付戦で166球を投げた佐々木自身が股関節痛を自己申告し、国保監督に「今日は投げられません」と告げた。大事を取って3位決定戦の先発を回避した。
結果的にこの3位決定戦では、10―9と専大北上に追い上げられた8回に佐々木はブルペン入り。無死二塁のピンチでリリーフ登板するも、やはり投球は万全には程遠く、3連打と押し出し四球で逆転を許し、東北大会進出を逃している。
以来、国保監督は外部の医療関係者、スポーツクリニックなどと連携を図りながら、最後の夏に向け佐々木の患部の治療やケアに加え、再発防止に細心の注意を払ってきた。しかし、恐れていたその不安要素が21日の盛岡四戦後から24日の準決勝・一関工戦にかけて表れてしまったのだろう。
確かに160キロをマークし、150キロ台の速球を連発していた21日の盛岡四戦に比べ、24日の一関工戦では立ち上がりの2イニングこそ150キロ台の直球を連発したが、リードを奪った3回以降は球速を140キロ台に落としていた。また、この試合では本来クイックの速い佐々木が、相手走者から4度の盗塁を企図された。
佐々木は24日の試合後に「(体調は)だいぶ回復した。(状態は)7割以上まできている。勝ち上がるために脱力することは前からやっている。質のいいボールが投げられた」と振り返ったが、ネット裏のスカウトからは「どこかをかばった上体投げのように見えた。器用だからピッチングになっていたけれど、盛岡四戦に比べて下半身が使えていないようにも見えた」という声も聞かれた。
いずれにせよ、この監督判断が正しく「令和の怪物」を故障から守り、夏の甲子園終了後に控えるU―18日本代表に佐々木が万全の体調で選ばれることを今は願うばかりだ。












