連覇を果たした虎も、先発陣の台所事情は決して盤石ではない。阪神・藤川監督は高知・安芸で行われている秋季キャンプ第2クール最終日となった8日も、ブルペンで長時間にわたって若手投手たちを精力的に指導。「僕が目につくということは、現状の取り組みがあまりよくないということですから。細かい指導とかじゃないんですよ。自分で見つけ出せるように導いてあげたいし、それができれば一流の選手だろうし、一流のコーチングになる」と練習後に語った。
粟井球団社長は今オフのFA戦線でロッテ・小島和哉投手、オリックス・中川圭太外野手、中日・上林誠知外野手の獲得に動く方針を明言。阪神がFA選手の獲得に動くのは2018年の西勇輝以来、実に8年ぶりだ。
「外部補強に頼らない生え抜き主体の骨太なチームづくり」として知られる〝超変革路線〟からの方針転換は、ここ数年黄金時代を謳歌してきたチームが〝曲がり角〟を迎えつつあることを示唆している。
メジャー移籍が決定的な佐藤輝明の穴を埋めるため、攻撃面の抜本的な見直しは急務だが、先発ローテーションの再編も重要な課題だ。今季は村上頌樹、高橋遥人、才木浩人の3本柱だけで計36勝をマークしたことが球団史上初の連覇に直結したが「ローテ4人目以降となると不安定で、シーズン最終盤まで選定に苦しんでいた印象がある」と他球団スコアラーは語る。
才木は希望していた今オフのMLB移籍へ向けたポスティングが認められず、残留が決まったものの、来オフ以降の去就は流動的。4番手以降の先発層が手薄な今、小島のように実戦経験豊富な先発投手は喉から手が出るほど欲しい存在だ。
何より、連日のように若手投手の指導に熱を入れる藤川監督の姿こそ、虎の危機感を象徴している。救援の柱だった石井も来季からの先発転向が決定。開幕までに何枚の有力な先発投手をそろえられるか――。ユニホーム組だけでなく、背広組にとっても正念場の秋となる。












