米国・WWEがサウジアラビア・リヤドで開催するPLE「クラウン・ジュエル」(11月7日=日本時間8日)に、異変が生じている。

 同大会を主催する「リヤド・シーズン」は28日、公式Xで開催会場が変更になったと発表した。チケット購入者には全額返金するとし、変更した会場のチケットは48時間以内に再販売するという。米経済誌「フォーブス」によると、当初は「リヤド・シーズン・スタジアム」での開催が予定されていたが、同じくリヤド市内の「キングダム・アリーナ」に変更。大会10日前に会場を変更するという異例の事態となった。

 サウジアラビアはフーシ派との戦闘が激化。空港などへのミサイル攻撃に対しサウジ側も空爆で報復した。攻撃を受け、米国務省はサウジアラビアへの渡航勧告を発出し、渡航の再検討を呼びかけており、現地の米国大使館は滞在する米国民に対して「警戒を一段と強める」よう促している。このためノバク・ジョコビッチらが出場する予定だったテニス大会「シックス・キングス・スラム」は、10月から12月に開催延期となった。

 こうした緊迫した状況だけに、米全国紙「USAトゥデー」は「現地の安全性を巡って、中東情勢の専門家や多くのプロレスファンから、WWEに対して同地域での大規模イベント開催を再考するよう求める声が上がっている」と報じる。WWE親会社TKOグループのアリ・エマニュエルCEOも「FOXニュース」に「この問題に対応するため、専門のチーム全体が動いている。もし予定通り開催できない場合、どこに会場を移せるのかについても検討している」と話し、開催会場の変更を示唆していた。

 一方でサウジ大会を延期、中止にできない事情もある。「フォーブス」によると、WWEはサウジアラビアでの大会1回につき、推定5000万ドル(約79億円)の収入を得ており、今年1月にリヤドで初開催された「ロイヤルランブル」では、1億ドル(約158億円)の収益があったとされるからだ。同地では来年にプロレスの祭典「レッスルマニア43」の開催を予定。今回の開催がどうなるかは、来年の祭典にも大きく影響しそうだ。
 
「クラウン・ジュエル」では、世界ヘビー級王者ローマン・レインズvs統一WWE王者サミ・ゼインのWWEクラウン・ジュエル王座戦、女子世界王者リブ・モーガンvsWWE女子王者チェルシー・グリーンのWWE女子クラウン・ジュエル王座戦、コーディ・ローデスvsランディ・オートンのラストマンスタンディング戦などが予定されている。