プロ野球最高峰の戦い「SMBC日本シリーズ2026」第4戦(みずほペイペイ)が28日に行われ、パ王者のソフトバンクが2年連続の日本一に輝いた。2年前のシリーズで辛酸をなめたDeNAに4―2の逆転勝ちを収め、破竹の4連勝。セ3位からの〝下克上〟を狙った宿敵に雪辱を果たした。王会長も目を細める「不動の2番」として相手に脅威を与え、球界屈指の走塁と守備で常勝軍団の象徴的存在に成長した周東佑京外野手(30)が本紙に独占手記を寄稿。ホークスと球界の発展、侍ジャパンの世界一奪回を願い、リアルな思いを打ち明けた。
【独占手記】昨年オフに5年という大きな契約をいただいて、重圧と責任を感じる部分は当然あった。選手会長を栗原に託して1年目。任を解かれたら終わり、ではいけない。いい伝統や文化を下の世代に継承する意識は、これまで以上に強かった。
21年から3年連続でV逸を経験してからの3連覇。改めて、勝利を追求することが何よりも重要だと感じている。興行的側面も大きいプロ野球だけど、やっぱり一番は勝つこと。勝ち続けることで本質的な「不動の人気」がついてくる。今一度、それを実感している。
シーズン最終盤に負傷離脱があったが、不安なく日本シリーズを戦えた。僕はこれまでポストシーズンを万全に戦った記憶がないくらい。5年契約の1年目、フルシーズン駆け抜けることが第1目標だったので、少しホッしている。
リーグ3連覇、2年連続日本一、チームとして最高の結果だったが、個人的な手応えは薄かった。僕には理想とする選手像がある。端的に言えば「5ツールプレーヤー」。僕の強みである走力を生かした今のスタイルを突き詰めてほしいという声が聞こえてきそうだが、僕の中では長打も兼ね備えた選手でありたい。この日本シリーズも一発が試合の流れを大きく変えた。一発の怖さ、長打を警戒される選手は優位性が増す。強打者の間に挟まれると、ゾーン勝負で四球を取ることも難しくなる。率を残すのも大変になる。単純明快に「チャンスメークする側」から「試合を決められる側」の選手になりたいという気持ちもある。
ホークスは才能ある選手が下からどんどん上がってくる。自分の代わりはいくらでもいる。今年も正木が一気に台頭してきた。走力が落ちてきた時に、打力で上回れなければ居場所はなくなる。だから危機感は常にあるし、プラスアルファが絶対に必要になる。
守備への自信は年々、揺るぎないものになってきた。自分が捕れなかったら誰も捕れない。頭を越されて捕れなかったら、それはもう投手が悪いと思って守っている。一番のこだわりはポジショニング。味方捕手の攻め方も頭に入れつつ、打者のスイング軌道などを頭に入れながら左翼手、右翼手と連携して守備位置を調整している。判断の精度は場数を踏んだ分、上がっていると思う。
今春も2大会連続でWBCに出場させてもらった。国際大会は人として、選手として、視野が広がる機会だ。この春は準々決勝で敗退し、早期帰国。本当に悔しかった。帰国後、代表選手を対象にしたヒアリングを複数回受けた。こういう性格なので、侍ジャパンがもう一度世界一を奪還するために、率直に思っていることを伝えさせてもらった。
1次ラウンドを日本で戦って、長時間の移動を経て次のステージを戦う負担は想像以上だ。故障のリスクもあると思う。選手の意見としては、すべてのラウンドを一極集中型で開催した方が好ましいのではないか、と意見させていただいた。代表チームの活動は、いつだって名誉。国民が一つになるプレー、勝利は格別だ。強い侍ジャパンの復活は、何よりも野球振興に欠かせない。
ホークスは野球界をけん引していく存在だと思っている。欧州サッカーの強豪クラブのようなチームがあっていい。移籍の活性化や選手の地位向上。現場にとって魅力的な環境が、裾野を広げていくと思う。立場や周囲からの見られ方も変わってきた。目立つことは好きじゃないけど、自分に求められる役割をグラウンド内外でしっかりと果たしていきたい。(ソフトバンクホークス外野手)
☆しゅうとう・うきょう 1996年2月10日、群馬県太田市生まれ。30歳。東農大二高から東農大北海道オホーツクを経て、2017年ドラフト育成2位で入団。19年3月に支配下昇格。順調に主力へと成長し、今年3月に開催されたWBCでは2大会連続で日本代表に選出された。昨オフに5年総額20億円プラス出来高(推定)の大型契約を締結すると、今季は自己最多となる127試合に出場。4年連続5度目となる盗塁王のタイトルを獲得した。5月10日のロッテ戦(みずほペイペイ)で単独本盗を成功させれば、9月8日の日本ハム戦(みずほペイペイ)では満塁ランニング本塁打を含む2本塁打。走攻守で存在感を示し、リーグ3連覇に貢献した。今季は打率2割7分5厘、4本塁打、39打点、30盗塁。180センチ、75キロ。右投げ左打ち。













