本塁打を打てるだけでは、名門の左翼は守れない。ドジャースのテオスカー・ヘルナンデス外野手(34)を巡る不要論には、単なる若返りとは異なる切実な事情が隠れている。人気者の立場を揺るがすのは、実は打撃の「質」と起用法の限界だ。
米ドジャース専門メディア「ドジャース・ビート」は27日(日本時間28日)までに、テオスカーが今オフのトレード候補として焦点が当てられている舞台裏を徹底分析。放出論が浮上する理由を打撃成績やチーム事情から掘り下げた。2024年には33本塁打を放ち、球団史上初のホームランダービー王者に輝いた。しかし、大型契約を結んだ後の2シーズンは計1037打席で41本塁打。打率2割5分6厘、OPS0・749で、得点創出力を示す「wRC+」はリーグ平均の100をわずかに上回る105にとどまる。〝強打者〟の看板に陰りが見える数字だ。
今季は5月末に左太もも裏を痛めて約1か月離脱。復帰後も長い不振に陥ったが、9月はOPS1・015と復調した。ロバーツ監督も9月には新たな外野手の昇格を見送り、復活に賭けた。ところが、ポストシーズンは打率2割、OPS0・519。ブルワーズに4連敗したリーグ優勝決定シリーズを経て、3連覇を逃したチームが攻守を見直すのは確かに自然な流れだ。
ただし、これで〝賞味期限切れ〟と片付けるのは早計だ。左腕に対する今季のwRC+は148。相手先発によって起用を分ければ、持ち前の破壊力は十分生かせる。だが、守備力に不安を抱えるベテランを限定的な出場機会のために残すのか――。指名打者(DH)には大谷翔平が君臨し、打撃専念という逃げ道もない。一発の魅力だけで、定位置を保証される状況ではなくなった。
右翼はカイル・タッカー、中堅はアンディ・パヘスが軸。若手が入り込める余地は左翼に集中する。追い打ちをかけるのが頭角を現す若手外野手たちの存在だ。21歳のホスウェイ・デパウラに加え、3Aで今季30本塁打を放った24歳のジェームズ・ティッブス3世も控える。デパウラにも守備面の課題はあるとはいえ、若手を試すには左翼の打席を空ける必要がある。
問われているのは「まだ打てるか」ではなく「毎日使う理由があるか」。功労者の肩書だけでは、その問いから逃れられそうにない。












