健全な「批判」であれば、これからも大歓迎だ。ソフトバンクは4日に球団公式ツイッターで「SNSへの投稿」と題して、次のように注意喚起した。

「ホークスについての応援や批判、議論などいずれも大歓迎ですが、その表現については是非ご配慮ください。なお、一部の投稿については、度を過ぎた誹謗中傷や虚偽等、違法になる可能性があると判断し、専門家と連携して法的措置の検討を開始しております」

 フォロワー数111万人を超える公式ツイッターでの呼びかけは、いわば警告だ。「年々、一般ユーザーからの通報が増加。気持ちのいい空間が損なわれていることを看過できない状況があった」(球団関係者)。新しいファンを開拓する空間で飛び交う見るに堪えない文言。一過性ではなく文字として残る特性を鑑みての判断だった。今回の球団の対応には、賛同の声が多く寄せられている。球団は昨年9月にも公式ツイッターとフェイスブックで警告文を投稿。前回にも増して強い表現で注意を促しているのは、問題の深刻化と社会からの要望にかなうからだろう。

 ホークスの歴史をさかのぼれば、熱狂的ファンがダイエー時代の王監督らが乗るバスを取り囲み、生卵を投げつける「生卵事件」もあった。王監督が選手に「怒ってくれるのが本当のファン。俺たちプロの仕事は、あの人たちを喜ばせることだ」と語りかけた逸話は球団内では有名だ。至る所に「王イズム」が受け継がれているホークス。心底チームを愛し、野球への熱が高いファンほど過激な言動になりがちなことも理解している。ファンの層が重厚になれば、温度差は生じかねない。球団内には「健全な批判をちゅうちょする心理が働くことで、プロ野球への熱が冷め、ひいては野球離れの遠因にならないか」というジレンマも少なからずある。

 深い愛情があるから怒りが湧く。SNS隆盛の時代。思いをぶつける場でもある。今回の警告と同時に、批判や議論レベルのつぶやきをちゅうちょする動きも見受けられるが、熱い批判をつぶやきたい人を制限するわけではない。大事なのは節度と他者への思いやりだ。