マリナーズ・イチロー氏(52=会長付き特別補佐兼インストラクター)が毎年開催する女子選手との野球大会が思わぬ形で米国で〝生物学的〟議論の対象となっている。イチロー氏は自分らの草野球チーム「KOBE CHIBEN」と女子選手との試合を2021年からスタートし、女子野球の振興に貢献してきた。13日にも東京ドームで女子高校生選抜と対戦し、イチロー氏は投手として127球を投げて5安打、無失点、17奪三振の完封勝利。常に全力で立ち向かい、疲労困ぱいで「自分の限界を知りたかった。今回で自信がついた」と汗を拭っている。

 52歳ながら最速136キロを計測するなどイチロー氏の超人ぶりばかりが目立ったが、そんな構図を米メディア「シアトル・レッド」が「男女は生物的な違いがある」と取り上げている。米国スポーツ医学会が23年に発表した声明では「生物学的に性別が運動能力の主要な決定要因である」と結論付けている。

「成人男性は一般的に同年代でも同等のトレーニングを積んだ女性よりも筋力、スピード、パワーに優れ、そのパフォーマンスの優位性は競技種目によって10%から30%に及ぶ」と男女の生物学的な違いを指摘。イチロー氏が殿堂入りの特別な存在であるとはいえ、この試合を男女の競技能力の差を考える象徴的な事例として提示している。

 また、ワシントン州で議論されている「トランスジェンダーの選手が女子スポーツに参加できるか」という住民投票にも関連付け「意図的ではないにせよ、この議論に異例の新たな要素を加えた。52歳のイチローは10代の少女たちで構成されたチームと対戦し、彼女たちは一度も得点できなかった」と伝え、この大会が女子スポーツ保護の観点からも一石を投じているとしている。