世界一へ向けて打ったはずの一手が、秋本番を前に痛恨の〝誤算〟へ変わりかねない。
フィリーズは17日(日本時間18日)終了時点で85勝68敗。ナ・リーグ東地区2位につけ、首位ブレーブスを4ゲーム差で追う一方、ポストシーズン進出圏もキープしている。世界一を狙う上で一戦も無駄にできない最終盤だが、その勝負どころでブルペンに誤算が生じた。球団は同日、ホワイトソックスからホセ・ウルキディ投手(31)をウェーバーで獲得し、40人枠を空けるためケイレブ・キリアン投手(29)を60日間の負傷者リスト(IL)へ移した。
米メディア「ヘビー」は同日、これによりキリアンのレギュラーシーズンが終了し、復帰できても最短で10月9日(同10日)、ナ・リーグ優勝決定シリーズ以降になると伝えている。
キリアンは8月3日(同4日)、ルイス・アラエス内野手(29)とともにジャイアンツから加入したばかり。フィリーズは有望株2投手を放出してまで成立させた勝負の補強で、キリアンは救援陣を厚くする重要な戦力と見込まれていた。しかも交渉は一度、破談寸前まで進み、キリアンが加わったことでまとまった経緯がある。それだけに皮肉は際立つ。
移籍後は4試合、3回1/3を投げて7失点(自責5)。8月9日(同10日)のブルージェイズ戦で左腹斜筋を痛め、その後は登板がない。今季はジャイアンツ時代を含め、49試合で防御率4・91。加入からわずか6日後の離脱は、結果論とはいえ「このトレードは本当に正解だったのか」との疑念を呼んでも不思議ではない。
ただ、負傷は移籍後の登板中に起きたもので、獲得時のメディカルチェックに問題があったとする根拠は現時点でない。しかし、フィラデルフィアのファンからすれば、そのように結果論とはいえ「まともにチェックしていたのか」と邪推されても仕方がないだろう。いずれにせよ問われるのは、むしろポストシーズンを見据えた補強全体の成否だ。救援陣に故障者が相次ぐ中、「ヘビー」はキリアン不在で勝ち上がるには、終盤の継投策に工夫が必要と指摘する。
世界一を狙うはずの補強が、肝心の10月に使えない――。その代償がどこまで響くのか。キリアン抜きのポストシーズンが、フィリーズの補強戦略を厳しく試す。












