競技のメジャー化へ、トップ選手が思い描く未来とは――。ソフトテニス男子日本代表の上松俊貴(28=NTT西日本)は19日に開幕するアジア大会(愛知)で、2大会連続3冠(シングルス、団体、混合ダブルス)に挑む。全日本シングルス5連覇中の絶対王者が単独インタビューに応じ、この競技にしかない魅力や自身が果たすべき使命などを熱く語った。

 ――競技を始めたきっかけは

 上松 7歳くらいのときに友達についていってやるようになった。父と祖父もやっていて身近にはあったが、楽しかったから始めた。

 ――当時から運動神経は良かった

 上松 ボールを投げる、捕る、打つのは小さいころからできていたみたいで、多分ラケットとかボールとか物を扱うのが得意だった。

 ――そういった運動センスがあり、身長も高いと、他の競技に誘われたのでは

 上松 野球は「やってみないか」とよく言われていた。高校の球技大会ではそこそこできていたみたいで、バレー部の監督に「試合に出てくれないか」と言われた。バドミントン、ソフトボールでも「助っ人としてやらないか」みたいなことはあったが、ソフトテニスの方も忙しかったので。

 ――その中でなぜソフトテニスだったのか

 上松 体とラケットとボールを使いながら、走ったり遠くに飛ばしたりっていうのが楽しかった。僕はボールを打つ音がすごく良くて好き。

 ――ソフトテニスにしかない魅力はどこか

 上松 球種も多いし、ダブルスでは陣形が1ラリーごとに変化していくので、いろんな技術をその中で発揮しないといけないのは、ならではの魅力。なおかつ駆け引きがある。シングルスは自分のイメージしていることをコートで発揮できれば、相手を自由に動かして翻弄できるのが面白さ。僕はダブルスもシングルスもどっちも好き。

 ――他競技と比較してソフトテニスはマイナーと言われることもある

 上松 マイナーだから恥ずかしいとか不服だとかは一切思わない。やっぱり部活動のイメージが多い中で、いろんな人がいていいと思う。中学の間だけ友達と一緒にでも、小学生から日本代表を目指してガチでやるのも、大会は出ないけど地域のみんなでやるのは楽しいから続けるのでもいいなと。競技者や愛好家の方はすごく多い。マイナーが悪いわけではなく、いろんな人に知ってもらえるようにテレビや取材とか、トップの選手がより知名度やブランディングを上げていけたら。誇りを持ってやっていって、僕が引退した後でもうまく花が咲いたら「やってて良かった」というのはある。

 ――競技として今後はどこを目指す

 上松 正解はわからないけど、スポーツとして五輪種目になると見られ方も変わってくると思う。他には国内の競技人口を増やせると盛り上がるし、企業とか市場が大きくなれば「やりたい」と思う子供たちも増える。最近はSNSや配信が普及して、テニスをやっていない子にも伝わる可能性がある。選手としては、ちょっとした映像が誰かの手元に流れたとき、見に来てもらったときに「すごいな、かっこいいな、こんなスポーツがあるんだ」と思ってもらえるプレーをすることが使命。小さい子に夢を与えたい。

 ――自身の夢は

 上松 世界一の選手であり続けること。どんな国内、国際大会でもタイトルを取り続けたいし、なおかつ楽しみながらより新しいソフトテニスを見つけられればと思う。

 ――アジア大会の目標や意気込みは

 上松 32年ぶりの日本開催で気持ちが高ぶっている。僕としては2大会連続3種目での金メダルを達成できるように頑張りたい。日本のエースとして「僕に任せとけ」ぐらいの気持ちで強くチームに関わっていきたい。

☆うえまつ・としき 1998年6月11日生まれ。岡山県出身。小学1年で競技を始め、小学校、中学校、高校、大学と全カテゴリーで日本一に。岡山理科大学付属高、早大卒業。2024年世界選手権では団体・シングルスの2種目で優勝。181センチ。