数字だけを見れば好投手陣だが、それでも勝負どころでは制球難が牙をむく。巨人は30日までの阪神3連戦(甲子園)で3連敗を喫し、首位とのゲーム差は4・5に拡大した。3試合はいずれも1得点。29日には自力優勝の可能性が消滅し、阪神に優勝マジック点灯も許した。ヤクルト3連戦を全勝して一時期は1・5差まで迫った勢いは、敵地で完全にしぼんだ。
敗因は打線だけではない。深刻なのが投手陣の〝制球の矛盾〟だ。この3連戦で阪神投手陣の四死球が計5だったのに対し、巨人は13。今季はチーム防御率2・96と阪神に次ぐリーグ2位を誇りながら363与四球、56与死球はいずれもリーグワーストとなっている。
橋上秀樹監督代行(60)も「本来であれば大体、四死球が多いチームというのは防御率が悪い」と首をひねる。低い防御率と多すぎる四死球。本来なら相反する数字が同居しているところに、今季のG投手陣が抱える厄介さがある。
チーム関係者は「今季の巨人投手陣の特徴として、カウント0―2や1―2と先に打者を追い込めているケースが多く、そこが強みではあるが、その後に丁寧にいきすぎた結果、無駄な四球につながってしまう場合もまた多いのは課題でもある」と指摘する。打者を追い込みながら仕留め切れず、慎重さが過ぎて最後は〝根負け〟する。丁寧さが長所である半面、自ら首を絞める弱点にもなっているというわけだ。
そこへ重なるのが、ぬぐい切れない〝阪神恐怖症〟だ。別のチーム関係者は「今季は阪神に対する嫌な印象がこびりついて完全に離れなくなった。打線だけで見ればDeNA打線とタイプは変わらないはずなんだけど、同じように抑えることはもう難しくなってしまった」と分析。今季の対戦成績は7勝16敗。数字以上に虎への苦手意識が投手の指先を狂わせている可能性も否定できない。
実際に29日には赤星が森下に、30日には小笠原が佐藤に対し、それぞれ死球を与えた。本来は制球力を持ち味とする投手にも、勝負どころでわずかな狂いが出ている。
残る阪神との直接対決は2試合のみ。逆転Vへの道が限りなく険しくなった今、必要なのは精神論ではない。追い込んでから仕留め切る制球と、虎を前にしても揺らがない胆力。その2つを取り戻せなければ、奇跡への扉は開かない。












