名門の背後に、赤い影が忍び寄ってきた。レッドソックスは25日(日本時間26日)、敵地マイアミのローンデポ・パークでマーリンズを延長11回の末に7―3で下し、5連勝。73勝59敗とし、同日にアストロズへ7―9で敗れたア・リーグ東地区2位ヤンキース(74勝57敗)へ1・5ゲーム差まで迫った。首位レイズは78勝54敗で、ヤンキースが3・5差、地区3位のレッドソックスも5差。地区優勝争いまで含め、終盤戦の景色が一気に騒がしくなってきた。
勝負を決めたのは、ジャレン・デュラン外野手(29)だ。3―3の11回1死満塁で、ギブソンの80・4マイル(約129キロ)のスイーパーを右中間席へ。飛距離412フィート(約126メートル)の今季18号満塁弾をたたき込み、試合を決めた。土壇場で宿敵の背中をさらに近づける、文字通りの一撃だった。
米メディア「ヤードバーカー」は26日(日本時間同日)、「レッドソックスが勝つたび、ヤンキースはハラハラしているに違いない」とする論調で急接近をクローズアップした。無理もない。25日終了時点でワイルドカードはヤンキースが1番手、レッドソックスが2番手。3番手ガーディアンズは67勝66敗で、ボストンとは6・5差がある。現状では両名門がポストシーズン争いで優位に立つ一方、焦点は「何位で入るか」に移りつつある。
このままならワイルドカードシリーズでヤンキースとレッドソックスが激突し、上位のヤンキースが本拠地開催権を握る。だが、その優位は紙一重だ。両軍は28日(同29日)からヤンキースタジアムで4連戦。29日にはダブルヘッダーも組まれている。現在の1・5差を保ったまま突入すれば、ボストンは3勝1敗でも順位をひっくり返せる計算になる。
しかもヤードバーカーが紹介した「ファングラフス」の残り試合予測では、両軍の勝敗ペースはほぼ互角。となれば、直接対決で奪う1勝の重みは極めて大きい。ワイルドカードの開催権だけでなく、地区2位、さらにはレイズへの追撃態勢まで一変しかねない。
ヤンキースにとって、もう「下から追ってくる1球団」ではない。ブロンクスの背中に届いた赤い足音は、もはや空耳ではない。












