ドジャースのカイル・タッカー外野手(29)が18日(日本時間19日)、敵地デンバーで行われたロッキーズ戦で実に8試合、27打席ぶりとなる「H」ランプを点灯させた。

 物静かなタッカーが相好を崩したのは4回の第2打席だった。同点の無死二塁の場面で相手先発右腕・フェルトナーの3球目を引っ張り、右翼線を抜ける適時二塁打。打席に立っては凡退を繰り返し、リフレッシュを兼ねてスタメンを外れた後も右翼守備で落球を連発…。本拠地のファンにまでブーイングを浴びせられるなど、まさに踏んだり蹴ったりだった中で生まれた一打は好転のきっかけとなるかもしれない。

 ただし、タッカーの場合は4年総額2億4000万ドル(約372億円=当時)の大型契約で加入した目玉の補強選手。開幕から一向に打撃の調子が上がらず、119試合に出場したこの日終了時で打率2割3分、11本塁打、55打点の成績では明らかに物足りない。

 米国内の各メディアもキャリア最悪のトンネルを抜けたことに「自信にプラスになる」「ついに無安打記録に終止符を打った」などと伝えたが、そのほとんどが〝注釈付き〟だった。他の3打席の内容が寂しいものだったためだ。2回の1打席目はすべてスイングしたが、打球は前に飛ばずあっさり3球三振。5回は力ない遊ゴロに倒れ、7回の最終打席もあえなく空振り三振に終わった。

「クラッチ・ポインツ」は「タッカーはまだ完全に危機を脱したわけではない。(適時二塁打以外の)3度の打席で2度の三振に加え、ショートへの弱々しいゴロでアウトになった」と指摘。さらに、地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」も同様で「ただし、他の打席ではゴロアウトが1度、2三振だった」「今年のタッカーは首をかしげたくなるようなことばかりだ」と今後の大爆発に直結するかには懐疑的なトーンだった。

 シーズンは残り1か月半を切っている。ドジャースの本番は10月のポストシーズンとはいえ、あまりにも長いスランプで失われた信頼は計り知れない。ようやく放った一打も途方もない道のりのスタートラインに過ぎないようだ。