名門の逆襲に必要なのは、派手な言葉ではない。「戦い続けろ」――。これぞピンストライプが受け継いできた原点なのかもしれない。
ヤンキースは18日(日本時間19日)、敵地カムデン・ヤーズでオリオールズに3―1で勝利し、2連勝。ア・リーグ東地区首位レイズとはなお5ゲーム差があるものの、少しずつ背中を近づけている。ワイルドカードでのポストシーズン進出も視野に入れながら、2009年以来の世界一奪回を目指す戦いは続く。名門に残された時間は無限ではないが、シーズンの行方を決める勝負どころへ向け、チームの空気は再び熱を帯びつつある。
そんな中、米メディア「ヘビー」は、トレント・グリシャム外野手(29)が同日のオリオールズ戦後に発した一言に注目した。この日は主力を欠く打線が序盤から苦戦。最初の7打者のうち6人が三振に倒れたが、3回にグリシャムが今季17号ソロを放って沈黙を破った。1―1の7回二死満塁では0―2と追い込まれながら中前へ勝ち越しの2点適時打。チームの全3打点を叩き出した。
土壇場で粘り切った打席について問われると冒頭にあるように、グリシャムは「戦い続けろ」と言い切った。同メディアは、その短い言葉がこの夜に必要だったものを的確に捉えていたと伝えた。主砲不在の苦境でも下を向かず、目の前の一球、一勝に食らいつく。まさに今のヤンキース全体を鼓舞するフレーズとなった。
そして、その言葉に呼応するように主砲にも光が差している。同じく「ヘビー」はブーン監督の最新説明をもとに、右第1肋骨の疲労骨折で離脱しているアーロン・ジャッジ外野手(34)の今季中に復帰する可能性がなお残されていると報じた。
ブーン監督によれば、ジャッジはチーム施設のプールで「スイング関連の練習」を行い、今週中にも打撃練習を段階的に再開する予定。キャッシュマンGMは8月上旬、残り試合を全休する可能性を完全には否定していなかっただけに、絶望説を覆す前進と言える。
首位までは5ゲーム。それでも、主砲は戻ろうとしている。そしてグリシャムは「戦い続けろ」と叫ぶ代わりに、結果と一言で示した。追う立場であろうと最後まで勝利に食らいつく――。その姿勢こそ、ヤンキースが世界一へ戻るための原点になりそうだ。












