「9回の答え」は、もう目の前にいるのではないか――。ドジャースの守護神問題が、いよいよ待ったなしだ。13日(日本時間14日)の本拠地ブルワーズ戦では、2点リードの9回にエドウィン・ディアス投手(32)がまたも崩れ、4連打を浴びて同点とされて降板。後続も勝ち越し打を許し、4―5で逆転負けを喫した。

 ディアスはこれで直近4登板で3度目のセーブ失敗。今季通算14試合で2勝2敗、防御率11・57。右ヒジの遊離体除去手術を経て7月29日(同30日)に復帰してからも7試合で1勝2敗、防御率12・71と苦しんでいる。

 それでもデーブ・ロバーツ監督(54)は守護神交代に慎重だ。試合後、ディアスを負担の軽い場面へ回す可能性を問われると「別の選択肢をくれ」と発言。ブルペン全体が安定していない現状を理由に、当面はディアスを9回で起用する姿勢を示した。

 だが、米メディア「クラッチポインツ」は14日、この判断に真っ向から異議を唱えた。代役として推したのがタナー・スコット投手(32)だ。同メディアは、ディアス復帰前までスコットが多くのセーブ機会を任されていた点に着目。今季は13日時点の52試合で1勝3敗、16セーブ、防御率2・25。セーブ失敗は3度にとどまり、11ホールドも記録しているとして「ポストシーズンに向けて頼れるクローザーを求めるなら、その答えになり得る」と論じた。

今季は安定した投球を見せているドジャースの左腕スコット(ロイター)
今季は安定した投球を見せているドジャースの左腕スコット(ロイター)

 説得力は十分にある。スコットは昨季、加入1年目に防御率4・74、メジャーワーストの10度のセーブ失敗と散々だった。だが、今季は見違えるように復調。直近7登板でも防御率1・69と、多少の波を見せながらも数字上は安定感を保っている。ディアスが長期離脱したシーズン前半には実際に9回を担い、チームの窮地を支えてきた実績もある。

 しかも、抑えを任されること自体は未知の役割ではない。マーリンズ時代には2022年にチーム最多の20セーブを挙げ、翌23年も終盤の守護神として存在感を発揮。24年も移籍前のマーリンズで18セーブをマークした。昨季の失敗だけを理由に候補から外すには、今季の内容と過去の経験はあまりにも重い。

 ディアスが本来の姿を取り戻せば、それに越したことはない。ただ、短期決戦では一度の救援失敗がシーズンを終わらせる。昨季の悪夢を振り払いつつある左腕を再び9回へ――。3連覇を狙う王者にとって、スコットへの〝守護神回帰〟はもはや奇策ではなく、現実的な一手になりつつある。