巨人で磨いた左腕が、メジャーの「掘り出し物」から今オフのFA市場を揺らす存在へ――。ガーディアンズのフォスター・グリフィン投手(31)が、鮮やかな〝逆輸入〟劇を完成させつつある。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は14日(日本時間同日)までに、今季に価値を高めた今オフのFA候補7人を特集。その筆頭にグリフィンを据え、今冬の市場で大きな注目を集める存在になると高く評価した。今季はここまで24試合に先発し、13勝4敗、防御率3・25。138回1/3を投げて125奪三振、33四球と安定感を示している。

 2014年ドラフト1巡目(全体28位)でロイヤルズ入りした左腕は、20、22年にメジャー通算7試合の登板にとどまり、日本へ活路を求めた。23年から3年間プレーした巨人では計54試合で18勝10敗、防御率2・57。315回2/3で318三振を奪い、昨季は防御率1・62まで数字を伸ばした。日本でスプリット、スイーパー、ツーシームを加えるなど投球の幅を広げ、7種類の球種を操る現在のスタイルを築いた。

 その実績を引っ提げ、昨オフにナショナルズと1年550万ドル(約8億7500万円)で契約。今季は自身初のMLBオールスターにも選出され、3日(日本時間4日)のトレード期限には4選手との交換でガーディアンズへ移籍した。ナショナルズが「売り手」に回った背景もあって契約延長に至らなかったこと自体が、今オフの市場価値をさらに意識させる展開となった。

ナショナルズをDFAとなったマイコラス(ロイター)
ナショナルズをDFAとなったマイコラス(ロイター)

 巨人から米球界へ戻った成功例といえば、マイルズ・マイコラス投手(37)がいる。15~17年に巨人で力を蓄え、米球界復帰初年の18年にカージナルスで18勝4敗、防御率2・83をマークして球宴選出。今季は奇しくもナショナルズでグリフィンと同僚となり、12日(同13日)にDFAとなったものの〝逆輸入〟の代表格として残した足跡は大きい。

 グリフィンの具体的なFA交渉はまだ先だが、今季残り試合での活躍次第ではガーディアンズ残留のみならず先発補強を見据えるヤンキース、ブレーブス、メッツ、ブルージェイズ、ドジャースなどが候補に浮上しても不思議ではない。

 かつてメジャーで居場所をつかめなかった左腕が、巨人で得た3年間を武器に、今度は争奪戦の主役になろうとしている。