暑いなら、もっと暑く――。巨人は9日のヤクルト戦(東京ドーム)に7―3で勝ち、今季24度目の逆転勝利。先発した小笠原慎之介投手(28)は6回3失点で今季2勝目(2敗)を挙げ、チームも阪神との同率首位の座を守った。

 4回に左腕は犠飛と2ランで3点を先行されたが、その裏にダルベック、石塚の適時打で1点差。小笠原も5回を三者凡退、6回も併殺で切り抜けると、その裏に打線が応えた。大城の適時二塁打で追いつき、岡田が勝ち越し打。代打・丸の2点適時二塁打も飛び出し、一挙4得点で試合をひっくり返した。

 試合後は「野手がつないで点を取ってくれたんで、感謝の気持ちしかないですね」と喜びながらも「防げる失点もあったので、しっかり反省して消化して、またやっていきたいなと思います」と自らの投球には厳しい目を向けた。

 マウンドだけではない。登板日に向けた時間の使い方にも徹底した〝流儀〟がある。チームスタッフが「登板当日はゾーンに入っていて、話しかけるのはためらわれるほど集中している様子」と語るほどストイックな左腕。調整法は一任され、過酷なランニングメニューも自らに課す。登板日の全体練習も、他の先発投手が30分から1時間ほどグラウンドで過ごす中、小笠原は10~20分で切り上げる。試合直前にはイヤホンで音楽を聴き、外界をシャットアウト。中日、米球界を経て築き上げたルーティンを淡々とこなす。

真夏でも厚着を徹底している巨人・小笠原慎之介
真夏でも厚着を徹底している巨人・小笠原慎之介

 服装にも〝小笠原流〟はにじむ。ドーム内で周囲がシャツにハーフパンツ姿でも、小笠原はしっかり着込むことが多い。スタッフは「体を冷やさないようにする狙いがあるんでしょう」とみるが、その〝完全防備〟は真夏の屋外でも変わらなかった。

 移籍後2度目の登板となった7月26日の阪神戦(甲子園)。猛暑の中でも分厚い上下スウェット姿で現れ、スタッフを驚かせた。「『暑熱順化』(体を暑さに慣れさせ、体温調節機能を高めることで熱中症にかかりにくい体質にするプロセス)をやっているのかと話題になって、かなり驚かされました」と目を丸くしたという。

 暑さにも、3点のビハインドにも動じない。自分でつくり上げた型を貫き、崩れそうで崩れない。小笠原の〝流儀〟は、真夏の勝負どころでこそ際立っている。