最多勝の道に通ずるのは──。ソフトバンク若手投手陣のタイトル争いが佳境に入っている。現在、パ・リーグの最多勝争いはエスピノーザ(オリックス)の13勝がトップ。その後をホークスでは前田悠伍投手(21)、松本晴投手(25)、大津亮介投手(27)の3人が追っている状況だ。

 エスピノーザはすでに出場選手登録を抹消され、今季の登板は終了が濃厚。4試合を残すホークスでは、各投手にラストチャンスが残されている。大津については、倉野チーフ投手コーチが「疲労している状態で無理やりいくのも良くない。状態を見ながら」と説明したように登板は流動的だが、うまくいけばチーム内に〝最多勝トリオ〟が誕生する可能性さえある。

 1シーズンで限られた選手しか獲得できない勲章である「タイトル」。その称号を手にする意味合いは大きいだけに、この機会を逃すまいと意気込むのが自然だ。だが、キャリアが浅い選手にはそれが裏目に出るケースもある。そこで大事になってくるのが〝寡欲さ〟だ。倉野コーチは「選手にはあまり数字は追わないようにと常々言っている。シンプルに目の前のバッターを抑えることだけを考えて、それで結果がついてきたらいい。先に数字、結果を追い求めるとあまりよくない。そこは欲をぐっと我慢して」と必要な意識を説いた。

 実績十分の選手であれば「タイトルを狙いにいく」意識を持って結果を残すこともできる。だが、ここまで「1つのアウト」に集中してきた若鷹投手陣にとっては、自らのやるべきことに意識を向けることこそが結果的に〝近道〟となる。倉野コーチが「0点に抑えても同点だったら勝ちはつかない。いろんな要素があるので」と口にしたように、タイトルの中でも勝ち星を競う最多勝は運の要素も強い。それだけに、余計に寡欲さを維持できるかが大事になる。

 3選手たちにも〝寡欲〟の意識は浸透している。最後まで意識を貫き、タイトルをたぐり寄せるのは誰か。