たった2安打で、10安打の中日をねじ伏せた。虎の〝超省エネ勝利〟を呼び込んだのは、リードオフマンの一振りだった。阪神・近本光司外野手(31)が9日の中日戦(京セラドーム大阪)で、0―0の6回一死無走者から柳裕也投手(32)の球を右翼席へ運ぶ先制ソロ。今季1号がそのまま決勝点となり、チームは1―0で逃げ切って連敗を2で止めた。10安打を放ちながら10残塁で無得点に終わった中日とは対照的な白星。巨人と同率首位を守り、11日から敵地・東京ドームで直接対決3連戦に臨む。
それまで阪神打線は柳の前に沈黙。2、3回はいずれも三者凡退に封じられ、6回まで2安打1失点と手玉に取られた。そんな中、近本の頭にあったのは長打ではない。「なんとか得点につながるようにと思って打席に入りました」。その一振りが均衡を破った。
「なんとかホームランになってくれて、うれしかったです」。グラウンドを一周しながら、そう思ったという。4月には左手首骨折で長期離脱を経験。本塁打は昨年4月22日のDeNA戦以来、474日ぶりだった。それでも「あくまでも結果なので、そこまで強調はしないです」と浮かれる様子はなかった。
試合後には、1、2打席目と3打席目で違うバットを使っていたことも明かした。詳細は語らなかったが、31歳となった今も試行錯誤を重ねている証しだ。自身今季最長を更新する11試合連続安打についても「こういうのを言われると止まっちゃう気もしますが、気にせず楽しくやっていきます」と受け流した。
チームは前日まで2連敗で2カード連続の負け越し。守備の乱れも重なり、流れを失いかけていた。100試合を終えて55勝44敗1分、貯金11。首位を争う宿敵との3連戦を前に、近本がこれ以上ない一発で虎を立て直した。












