前半戦の最後を開幕投手が締めくくった。阪神・村上頌樹投手(28)が26日の巨人戦(甲子園)で9回を投げ抜き、今季2度目の完封で8勝目をもぎ取った。1―0の勝利に導き、チームの連敗を止めて巨人と同率首位で後半戦へ折り返すことになった。
「完封できたことはうれしいですし、今日は絶対に勝ちたいと思っていました」。自身の白星以上の意味を感じていた。前半戦最終戦であり、チームは嫌な負け方で巨人に連敗を喫していた。「ファンの皆さんに嫌な気持ちで(球宴休みに)入ってほしくなかった。絶対に勝ちたいと思っていました」と言葉通りに、ボールに気持ちを込めた。
立ち上がりから丁寧にコースを突き、臆することなく内角を攻めた。捕手・坂本との呼吸も合った。「本当に丁寧にコースに投げられましたし、インコースも攻めながらできた。誠志郎さんがうまく引き出してくれました」と話す表情には充実感がにじみ出ていた。
最大のヤマ場は1点リードの9回だ。連打で無死一、二塁のピンチを背負い、迎えたのは今カードで2本塁打を放っていた4番・ダルベック。長打が出れば、一気に流れが変わりかねない場面だった。それでも動じず、2球目に投じた外角へのカットボールで二ゴロ併殺に仕留めた。最後は東洋大の後輩でもある佐々木をチェンジアップで空振り三振。右のこぶしを握りほえた。
24日の同戦では才木が1―0で完封まであと一死の場面でダルベックに逆転2ランを被弾した。それでも村上は「才木は才木で悔しさを晴らすと思いますし、自分は自分のやるべきことをやって、後半戦も投げていきたい」と言い切った。誰かの分まで背負うのではない。それぞれが、それぞれの場所で悔しさを晴らす。村上は自分の仕事をまっとうし、チームを首位の位置に押し戻した。
村上は前半戦で8勝。次に見据えるのは当然ながら2桁勝利だ。「キャッチャーの皆さんに助けてもらっている。後半戦もいっぱい助けてもらいながら、まずは2桁に持っていきたい」。最後の一球まで村上らしかった。派手に力でねじ伏せるのではなく、丁寧に、冷静に相手の反応を見ながらアウトを積み重ねた。
同率首位で迎える球宴明けの後半戦。連覇を目指す藤川阪神にこの右腕は欠かせない。












