最高の誕生日プレゼントは、23歳の若虎が振り抜いた一打だった。阪神は21日のDeNA戦(甲子園)に延長11回、2―1で今季4度目のサヨナラ勝ちを収めた。
1―1の11回一死から、移籍後初先発で2安打の元山が左前打で出塁。坂本の犠打で二死二塁とすると、途中出場の高寺望夢内野手(23)が宮城の2球目、122キロのカーブをとらえ、中越えのサヨナラ適時二塁打を放った。
高寺は「坂本さんがバントしたぐらいから、自分にチャンスで回ってくると思っていた。本当に決めようと思っていた」と振り返った。直前の2打席は凡退し「めちゃめちゃ悔しかったんで」と悔しさをにじませた。その思いを最高の一打に変えた。ウイニングボールは両親に贈る予定だが、藤川球児監督(46)には白星こそ何よりのプレゼントだろう。
藤川監督は誕生日を「仕事に持ち込むつもりは全くなかった」という。朝は「晴れている甲子園でゲームができる。これが今日の誕生日プレゼントだ」と受け止めていたが、試合後には「まさか最後に素晴らしいプレゼントをいただきました」と満面の笑みを浮かべた。
指揮官が高寺に感じるのは、甲子園で勝つための資質だ。近本、中野、福島らを挙げ「この球場に合うプレーヤーになってもらえたら。タイガースらしい野球、甲子園でする野球には、こういう野球がすごく必要。それがチーム力」と評価した。俊足、堅守にシュアな打撃。森下、佐藤、大山、立石ら大砲だけに頼らない野球を体現できる一人が高寺だ。
先発・下村は6回4安打1失点。前回登板の10日、ヤクルト戦(甲子園)では6回に決勝ソロを浴びてプロ初黒星を喫したが、今回は終盤の壁を越えた。藤川監督も「投手として非凡なものを感じる。そこを乗り越えたことは非常に大きい」と成長を認めた。
工藤、岩崎、ドリス、木下も計5イニングを無失点。元山の2安打と好守、坂本の犠打、高寺の一打と、主砲だけに頼らず全員でつないだ。
苦しい延長戦を制し、巨人と並ぶ首位を死守。藤川監督の46歳初戦は、高寺のバットが届けた忘れられない一日となった。












