球場をいじれば勝てる――。そんな皮算用が、今や痛烈な逆風として返ってきている。

 米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は5日(日本時間6日)、今季42勝49敗でア・リーグ東地区4位と低迷するオリオールズについて、本拠地オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズの左翼改修が「失敗」に終わっていると厳しく断じた。やり玉に挙げられたのは、マイク・エリアスGM主導で2022年以降に2度行われたレフトの大幅改造だ。

 同誌によれば、最初の改修は投手陣の弱さを補うため、左翼を大きく広げてフェンスも高くする前例のないものだった。強打者をそろえれば難題を打ち破れるとの発想だったが、本拠地アドバンテージは生まれず、25年開幕前には一部を戻す形で再改修。それでも混乱は解消されていないという。

 右の大砲として期待されたピート・アロンソ内野手(31=オリオールズ)とテイラー・ウォード外野手(32=オリオールズ)は、昨季合計74本塁打を放ったが、今季は前半戦終盤時点で合計24本塁打、カムデン・ヤーズでは計10本にとどまる。かつての右打者であるライアン・マウントキャッスル内野手(29=オリオールズ)やオースティン・ヘイズ外野手(31=ホワイトソックス)もフェンスに翻弄されたとし、球場設計が味方どころか打者の足かせになったとの見方だ。

 数字も重い。22年以降、オリオールズは本拠地で左投手に対し、打率2割3分8厘が29位、出塁率3割2厘が30位、長打率3割7分4厘が27位、OPS6割7分6厘が28位。相手打線には対左投手で15点多く許しており、同誌は「期待した競争上の優位性を生かせていない」と切り捨てた。

 皮肉なのは、左腕投手を生かす設計でありながら、その左腕先発の整備も進まなかった点だ。トレバー・ロジャース投手(28)以外に安定した左腕先発は乏しく、キーガン・エイキン投手(31)が22年以降の球団左腕最多143回を投げ、ケイド・ポビッチ投手(26)を約20回上回る状況だという。左腕の本拠地防御率も18位、WHIPも17位止まりだった。

 この間、オリオールズはプレーオフ2シリーズで本拠地開催権を得ながら1勝もできず、2022年以降の本拠地成績も201勝170敗、勝率5割4分2厘でリーグ14位。名球場カムデン・ヤーズは今や「勝つための武器」ではなく、低迷を映す象徴になりつつある。