泥沼のチームで、ユウキ・マツイの名前だけが真夏の市場で熱を帯びてきた。米メディア「ヤードバーカー」は5日(日本時間6日)、パドレスが8月3日(同4日)のトレード期限を前に難しい判断を迫られていると指摘。チームは同日、敵地ロサンゼルスでのドジャース戦に5―2で勝利し、連敗「8」で止めた。
だが、泥沼から抜け出したとは言い切れない。5日終了時点で44勝45敗、ナ・リーグ西地区首位ドジャースとは14ゲーム差、ワイルドカード争いでも圏内から4ゲーム差。今季ワーストの8連敗は2013年以来の長いトンネルでもあり、ポストシーズンへ完全に白旗を揚げる状況ではない一方、買い手に回ると断言できるほどの余裕もない。
もともとパドレスは期限前に先発ローテーションや打線を補強する側と見られていた。だが、近年の大型補強とトレードで傘下有望株の層は薄く、追加補強に動くにも交換要員は限られる。そこで急浮上するのが、松井裕樹投手(30)の去就だ。同メディアは、パドレスが選手放出に踏み切る場合、ブルペン補強を狙う優勝候補にとって松井が「大きな助け」となる存在だと指摘。松井は今季終了後にオプトアウトしてFA市場に出る可能性があり、今季のチームが勝負に踏み切らないなら保有を続ける利点は薄れる。
松井は5日のドジャース戦でも2番手で登板。6回からマウンドに上がり、2四球で走者を背負いながらも2/3回を無安打無失点に封じ、今季2ホールド目を挙げた。今季は左脚付け根の故障で出遅れたが、5月に復帰後は安定感を取り戻し、ここまで22試合で0勝1敗、2ホールド、防御率2・03、31回を投げて34奪三振、WHIP1・23。防御率は1点台目前の水準で、9イニング換算の奪三振率も9・87をマークしており、左の救援を欲するチームには十分すぎる売り文句になる。短いイニングを任せられる左腕は市場で常に需要が高く、終盤の一手を探す球団には魅力的な存在だ。
もちろん、まだ7月上旬。残り数週間の巻き返し次第でフロントの姿勢は変わる。ただ、勝ってなお借金生活の現状は重い。勝負か、整理か。岐路に立つサンディエゴで、松井が夏の市場を揺らすパワーワードになりつつある。












