DeNAは5日のヤクルト戦(神宮)に6―4で競り勝ち、同一カード3連勝。6月は月間4勝15敗とドン底の黒星街道をさまよったが、長いトンネルを抜けた先にはようやく光も差し始めた。
チーム状態を好転させた立役者の一人が、2日の広島戦(横浜)から一軍合流を果たしたばかりのヘラル・エンカーナシオン外野手(28)だ。この日は4安打、3打点の大暴れで出場した4試合で打率4割7分4厘(19打数9安打)、5打点を記録している。
驚異的な打撃成績もさることながら、何より目を引くのは入団前のイメージを覆す器用な打撃だ。193センチ、113キロの体格を誇り、MLB通算94試合出場で打率2割1分1厘、10本塁打、40打点というカタログスペックは多くの人に「当たれば飛ぶロマン砲」というステレオタイプな助っ人像を抱かせるものだった。
だが、エンカーナシオンがここまでマークした9安打のうち、実に7本がシュアな打撃で左右に打ち分けた単打。新助っ人が苦戦しがちな外角への変化球にも問題なく対応できている。
鈴木尚典打撃コーチも「パワー一辺倒というタイプのバッターではなかった。初見のNPB投手たちの変化球にも対応できている」と舌を巻く。現役時代は2度の首位打者に輝き〝ハマの安打製造機〟と呼ばれた男は「似たタイプを挙げるならレイエス(日本ハム)かな。左右に幅広く打てるしね。本塁打もこれから出てくるだろう」と重ね合わせる。
大柄な体格にもかかわらず守備走塁の動きも軽快そのものだ。守備位置は右翼で、初回に赤羽が放ったオーバーフェンスかという大飛球をジャンプしながらキャッチ。3日の同戦でも8回一死二、三塁で増田が放った右前打に猛チャージをかけ、本塁にノーバウンド送球し、二走のモンテルを間一髪でアウトにして度肝を抜いた。
パワー、ミート力、守備力に加えて肩も一級品。プレーの一つひとつからは身体能力の高さがにじみ出る。この日の試合後、ベイ党の大喝采を背に球場から引き揚げた相川監督も「正直ここまで対応力が高いとは思わなかった。初球から振りにいけるところも頼もしい。想像以上」と救世主出現の予感に胸を高鳴らせた。












