主砲不在の首位球団が、水面下で〝訳あり右腕〟の再生買いに動くのか。米メディア「クラッチポインツ」は22日(日本時間23日)、ア・リーグ東地区首位を走るヤンキースが、ダイヤモンドバックスのザック・ギャレン投手(30)を獲得するための「完璧なトレード案」を模索中であると報じた。

 アーロン・ジャッジ外野手(34)が右第1肋骨の疲労骨折で戦列を離れ、復帰が8月にずれ込む可能性もある中、ヤンキースは46勝31敗で首位を守っている。だが、ジャッジ不在で打線の圧力が落ちているだけでなく、秋を見据えれば先発の枚数にも不安が残る。マックス・フリード投手(32)は負傷者リスト(IL)入りし、ゲリット・コール投手(35)は復帰したとはいえ、長いポストシーズンを勝ち抜くにはもう一枚の実績派が欲しいというわけだ。

 そこで浮上しているのがギャレンだ。今季は16試合に先発し、3勝6敗、防御率6・10、79回2/3で52奪三振、WHIP1・63と苦しむ。直近のツインズ戦でも4回12安打9失点と炎上した。それでも同メディアは、2022年から2024年までに43勝を挙げ、2022年は防御率2・54、2023年は220奪三振をマークした実績をピックアップ。ヤンキース側もかつてナ・リーグのオールスター戦で先発した右腕が、環境を変えることで復活する可能性を見ていると指摘している。つまり、狙いは大金を積む補強ではなく、評価が下がった今だからこその〝買い時〟という読みだ。

 妙案の軸は、将来性のある若手投手を差し出すことにある。放出候補に挙げられているのは、アレン・ファクンド投手(23)。トミー・ジョン手術から戻り、直球は94~96マイル、最速100マイルに届くとされる左腕だ。さらにエリック・レイゼルマン投手(24)も加える案が示されているという。今季中のメジャー到達も見込まれる右腕で、速球とスライダーに魅力を持つ。一方で、ギャレンの今季成績が低迷しているため、ヤンキース側は有望株の大量放出を避けつつ交渉できる。ダイヤモンドバックス側が若い野手を追加で求める余地はあるが、足元を見た提案が成立する可能性はある。

 首位快走の裏で、ヤンキースは勝っているからこそ弱点を見逃せない。ジャッジ不在をしのぐだけなら現有戦力でも戦える。だが、ワールドシリーズを本気で狙うなら、10月に使える先発を一人でも増やす必要がある。不振のギャレンは危険物か、それとも掘り出し物か。成立するか否かも含め名門の補強眼が、今夏の市場で試される。